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Lionheart / ライオンハート (2018) 1670本目

ようこそノリウッドへ!『Lionheart / ライオンハート

ナイジェリア映画。という事はアフリカ映画である。が、しかし、アフリカの映画をアフリカ映画とひとつにまとめてしまうのは、結構危険だ。私がかつてアフリカ映画を勉強する為に読んだのが、その道の権威マンシア・ディアワラのAfrican Cinema: Politics and Culture (Blacks in the Diaspora)という本。この本は、植民地支配をしていた国ごとに語られている。国民の娯楽となる映画制作には、植民地支配していた国の支援が不可欠だったからだ。とはいえ、今回のナイジェリア映画も歴史はあるものの、1960年代から映画を作ったオスマン・センベーヌ監督のセネガルに比べると、情報が少ない。セネガルやマリなどのフランス語圏からは、カンヌやベルリンと言った大きな世界映画祭に出展され、そして賞に輝くような監督が沢山誕生しているが、ナイジェリアからはオラ・バログンなどがいるが、国の大きさと人口を考えると少し寂しい。そしてナイジェリアは英語圏なので、娯楽はアメリカからの輸入も多かった。あとアフリカ全体では、インド映画が楽しまれているのもある。しかし、ナイジェリアは近年「ノリウッド」と呼ばれるほどに映画産業が発展しており、その産物が今回の作品であろう。ナイジェリア映画として初となるNetflix作品であり、近年大きくなったトロント映画祭でプレミア上映された。ナイジェリアを代表する女優ジェネヴィーヴ・ナジ主演・監督。

ナイジェリアの南東の位置するエイヌグにて大きなバス会社を経営しているオビアグ家。経営者で家長であるアーネスト(ピート・エドチェ)が倒れ、オジ(ンケム・オウォー)がその跡を引き継ぐことになった。会社の大きな役職につき、自分が継ぐものだと思っていた娘アダエゼ(ジェネヴィーヴ・ナジ)は戸惑い悩む。会社のため、オジに力を貸すアダエゼ。しかし、父が多額の借金をしていた事が分かり、アダエゼとオジは会社存続の為に頑張るが...

この映画観た時、思い出したのが去年ヒットし話題になった『クレイジー・リッチ!』。文化を感じさせる独特なゴージャスさと色彩が綺麗だった。この映画では特にナイジェリアの国旗の色ともなっていて国を感じさせるグリーンの色使いが艶やかで美しい。それが壁やアダエゼのドレスの色だったりする。他のアフリカ映画に比べると、同じような色彩の美しさと伝統を感じつつも、他にないゴージャスさを映像に凄く感じた。そして、映画そのものの内容は、アメリカのタイラー・ペリーを感じさせてくれた。頑張っていたら、誰かが手を差し伸べてくれるかもしれない。そしてナイジェリア映画は、彼らが昔から馴染んでいるアメリカの影響を受けていて娯楽テイストが大きい。オジのおおらかさと自由な所が好きだ。そしてやや堅物な父がとある人物と意気投合するシーンも好き。ああいう所はナイジェリアあるあるなのかな?と思わせてくれた。という感じで、知らなかったことを知れる、そして興味を持たせてくれる。新しい扉を開かせてくれた。

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(3.75点:1670本目)