ブラックムービー界のプリンスと言えば....??多くがデンゼル・ワシントンやラップしていた時の名前フレッシュ・プリンスからウィル・スミスとか思い浮かべるかな??私は...なぜかブレア・アンダーウッドを思い出してしまうのです。元々のクリーンなハンサム顔で真面目な青年という印象なんですが、「Set It Off / SET IT OFF (1996)」では嫌な男を演じたり、「Malibu's Most Wanted / お坊ちゃまはラッパー志望 (2003)」ではコメディもやってましたね。「Set It Off / SET IT OFF (1996)」で見せた嫌な男も癖があってたまらないというか... カリスマ性もありますよね。後で下に書くかTumblrにあげますが(書くところが無くなったので後日また)、最近では慈善活動にも積極的。本も出版したりと充実してます。近頃益々いい男になったなーという印象です。そのブレア・アンダーウッドが初めて監督に挑んだ作品。これがまた...
主人公の5人は白人男性。ペンシルバニア州のピッツバーグという鉄の町が舞台。最近じゃ、演歌歌手のジェロの故郷としても知られる町ですね。そのピッツバーグは鉄の町というだけでなく、タイトルにもなっている「橋」の町でもあるそうです。恥ずかしながら知りませんでした。鉄の方は「ピッツバーグ・スティーラズ」というNFLチームのお陰で知っていたのですが... 間違いだらけのウィキによれば、446の橋があるそうです(さすがにウィキでもこればかりは酷く間違ってはないと思う)。町に446って凄い数ですよね。労働者階級が住む小さなコミュニティで幼稚園からの幼馴染の白人の男の子5人の話です。5人共に汗水流して働くタイプの仕事をしてます。でもマリファナを吸い放題のパーティ開催したりして、小銭を稼いだりしてます。このままそんな感じで人生が終わってしまうんだろうなーという時に、町に見知らぬ娼婦が2人やってくるのです。そこでおバカなアイデアが浮かんでしまったのが、5人組みのリーダー格のブライアン。2人を高級コールガールにして、5人でピンプとなるという計画。とは言え経験もないし、実際に見た事もない彼等。女の子達もクスリ(クラック)をちゃんと提供してくれれば彼等の娼婦になっても良いという。前からマリファナぐらいは買ったりしていたので、その伝でネイトという黒人のプッシャー(ドラッグの密売人)に連絡。そのネイトを演じたのが、ヴィング・ライムス。ピンプの経験もあったネイトは彼等に1からクラックの作り方とかを教えていくのです。
とまあ、普通に黒人が主役でありそうなブラックムービーであるのです。でも面白いのが、立場が逆転しているのです。ピンプ映画の金字塔「Super Fly / スーパーフライ (1972)」でも主人公のプリーストがラストに社会を牛耳っているシステムである白人に盾を突くシーンで当時は黒人の観客が興奮していた訳です。所が、今回はヴィング・ライムス演じたネイトがそのシステムな訳です。ネイト無しには、白人の5人組みの成功は無かった。この映画のラストも絶妙です。思わず「うぉー」と唸りました。そしてブラックムービーには大事なメッセージもちゃんとたっぷりと含まれていて、たんなる娯楽映画とも違います。また主人公が労働者階級ですし、5人の個性がある為に観客は自分と重ねあう事が出来るんじゃないかな?また「Hustle & Flow / ハッスル&フロウ (2005)」みたいに、いい年になってる人は主人公達と自分の今の状況を重ねてしまうと思います。
この映画の主役の一人のブライアンを演じたのがベン・クロウリーという俳優。スパイク・リーの「Sucker Free City / 日本未公開 (2004)」でも主役の一人を演じてました。これがびっくりです。「Sucker Free...」の時とは全然印象が違うんですよ。「Sucker..」では普通の白人の青年という感じでしたが、今回はたくましさがあって、ジョシュ・ブローリンにも似た感じの印象。娼婦の1人を演じたビジュー・フィリップスは土屋アンナみたい。
ブレア・アンダーウッドの初監督作品は思っていた以上に面白かった。監督と同じくハンサムな映画というか、内容が内容だけに正統派なハンサム映画とはいきませんが...「Set It Off / SET IT OFF (1996)」で見せた嫌な男みたいな癖のあるハンサム映画ですね。やっぱりブレア・アンダーウッドはトータルで男前ですわ。
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(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)