Cast >> Mike Tyson
Director >> James Toback
Writer >> James Toback
Producer >> James Toback, Mike Tyson, Damon Bingham, Harlan Werner
Genre >> Documentary
Country >> USA
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 5 Performance >> N/A Direct >> 5 Music >> 4
Raging bull openly cried out with body and soul
ヘビー級チャンピオンとして1980年代から激しく時代を駆け抜けたマイク・タイソンのドキュメンタリー。
このドキュメンタリーは真新しい事実が明かされている訳でもないし、真実をバランスよく伝えようとも思っていない。それは監督自身が認めている。しかしマイク・タイソンの知られざる素顔が知れる面白いドキュメンタリーだ。監督とタイソンとの長年の交流が成し得た、タイソン自身が赤裸々に語る人生とボクシング、そしてトラブル。タイソン自身が語るボクシングを始めた訳をタイソン独特の舌足らずな甘い言葉でセンチメンタルに語る。そしてキャリアが落ち込んでいく原因となったロビン・ギビンスやドン・キングとの関係には私達が想像するタイソンのイメージそのままの悪ガキの言葉で話す。驚かせられるのは、恩師カス・ダマトの話しになると、あのタイソンが涙を堪えられずにカメラの前で泣いてしまう。生きているうちにまさかタイソンの涙を見る日があるとは思わなかった。そして数々の記録映像と共にタイソンの言葉で語る歴史。ロビン・ギビンスと一緒にインタビューを受けていて、怒らずに話しを聞いているタイソン。私達の国で歴史的な一戦の敗因をオープンに話すタイソン。どれも真実ではある。
自分の気持ちに敏感であり、人との接し方には鈍感でもあった。器用に生きようとして、不器用に人を傷つけていた。マイク・タイソンはバランス良く生きるのが苦手だ。だからこそ、今後のタイソンが気になる。彼が自分の言葉で語ったからこそ、今後は見守りたい気持ちが生まれるのだ。
(9/2/09:DVDにて鑑賞)