いやん、この前の「Dance Flick / 最強絶叫ダンス計画 (2009)」書き足らなーい。あんなに書いておいて、読み返したら「あら、あれもこれも書いてない!」と思いました。あとでどっかに沢山書いてやる!
という訳でローレンス・フィッシュバーン初監督の「Once in the Life」です。全然繋がってないし。
ローレンス・フィッシュバーンと聞いて思わず見たくなった人も多いでしょう。そうだと思います。フィッシュバーンはそう思わせるセンスのある男ですよ。14歳の頃(と言っても撮影の頃は12・3歳でしょう)には「Cornbread, Earl and Me / 日本未公開 (1975)」という作品のタイトル「Me(僕)」という可愛い主役を演じ、18歳の頃(これも撮影時は17歳頃?)には名監督フランシス・フォード・コッポラの代表作である「地獄の黙示録」等に出ていて子役から第一線で活躍し、80年代になって20代になると新進監督であったスパイク・リーと交流を深めて「She's Gotta Have It / シーズ・ガッタ・ハヴ・イット (1986)」には出演できなかったけれど相談にのったりして、リーのメジャー会社初の監督になる「School Daze / スクール・デイズ (1988)」では主演を務めたり。90年代に入ると「What's Love Got to Do with It / TINA ティナ (1993)」でオスカーの主演にノミネートされたり、隠れた名作「The Tuskegee Airmen / ブラインド・ヒル (1995)」で主演したり、「Miss Evers' Boys / ミス・エバーズ・ボーイズ〜黒人看護婦の苦悩 (1997)」ではプロデュース業にも進出したり。「Boyz N The Hood / ボーイズ’ン・ザ・フッド (1991)」ではゲトーに住むみんなが憧れたという伝説となる父親を演じたり。2000年になったら大ヒット作「マトリックス」シリーズに出たり。こんなに長い間第一線で活躍しているのには、やっぱりフィッシュバーンのセンスなんですよ。その男が書いた劇作の映画化。しかも作品への思い入れがあるのか、初めて監督にも挑戦!です。そりゃ、見たくなりますよ。
上にも書きましたが、元々は舞台劇。映画は残念ながら舞台劇ぽい密室劇を抜け切れていないような気がしました。台詞とかも凄く良いです。タイトルの「Once in the life」には続きがあって、「Once in the life, always in the life」となります。「一度ある事は、二度ある」と言う日本の言葉もありますが、それともまたちょっとニュアンスが違って「一度悪い事をする者は、それがずっと続く」というニュアンスです。悪い稼業から中々抜け出せないという事です。ローレンス・フィッシュバーン演じるマイクと、イーモン・ウォーカー(Cadillac Records / キャデラック・レコード (2008)の好演が記憶に新しい)演じるトニー、そしてマイクの異母兄弟のトーチという3人の三角関係がいいですね。意外に繋がっているのが面白かった。その中でもマイクと異母兄弟のトーチの感じは何となく「真夜中のカーボーイ」を思わせるんですよね。台詞で「暖かいマイアミに行って...」なんていうのもあったりして。トニーを演じたイーモン・ウォーカーが本当に良いですね。後、故グレゴリー・ハインズが悪役です。声をわざと潰してましたね。白人の手下の男が人種ジョークを言うと、叩きまくるんですが、その表情がなんとも言えない。面白いんです。と、何か面白いシーンもちょこちょことあったりします。何となくハードボイルドな悪党の世界の映画を想像していたので、意外でした。いや、話は結構ハードボイルドなんですが、絵がそうでも無いかもしれないですね。音楽とかもジャズだったりするんですが、突然ロックだったり。バラエティに富んでいるというよりも、まとまりがイマイチだった印象です。でも台詞も良かったし、トニーが詩を読んだりするのも凄く良いのですが、やっぱり舞台劇が元なので台詞が多かったりするので窮屈な感じも受けてしまいました。
上ではフィッシュバーンのキャリアがすべて順風満帆に進んできたかのように書いてしまいましたが、実際はちょっと苦労した時期もあるんですよね。ピーウィー・ハーマンの番組でカーボーイ・カーティスなんていうのもやってましたから...
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(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)