パム・グリア嬢が主役の作品です。パム・グリアを有名にさせたアメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(AIP)とは、この映画を最後に別れた。そしてこの映画の監督はあの「Abby / アビィ (1974)」のウィリアム・ガードラー。奇妙で奇想天外でおどろおどろしい...ま、一言で言ってしまえば変な映画ばかりを撮っていた監督です。30歳で飛行機事故で亡くなってます。って事はこの映画はまだ20代だったんですね。「Abby / アビィ (1974)」もでしたが、この映画もケンタッキーのルイビルが舞台。監督の出身地なんですね。でも超普通なパム・グリア映画です。変な所があるとしたら、悪役がなぜか海にちなんだ名前な事ぐらい。後はオープニングではシカゴの町をパムが渡り歩くんですが、パムのお尻アップが面白いですね。数々のパム・グリア作品の中でも普通なんです。1番面白いとか、3本の指に入るわ...って感じの映画では無いですね。だからと言って、この映画最低!って訳でもないです。本当に普通なので、それなりに見れてしまいます。
パム・グリアのお相手が「Abby / アビィ (1974)」では、アビィの兄役だったオースティン・ストーカー。まぁマンダム&ダンディだこと!パムと彼のやり取りが良いですね。ラストなんて最高!タクシーで引き返すものだと... これが良いんですよね。パム・グリアの最高傑作と言えば「Coffy / コフィー (1973)とか「Foxy Brown / フォクシー・ブラウン (1974)」になると思うのですが、その2作品ではウブで生娘なパムがある事をきっかけに豹変して強い女に成長していくのが面白かったんですが、この作品では最初から大人。そこなのかな?この映画が普通になってしまったのは。映画の中で成長してないんですよね。オープニングの事を先にちょっと書きましたが、エンディングも同じです。パムが演じたシーバがずっと同じ線なんですよね。カッコいいのはカッコいいんですけどね。カッコいいと言えば、衣装ですね。シカゴから故郷のケンタッキーに戻る時には、白いパンツスーツに帽子なんですがこれがカッコ良すぎる!同じバージョンでスカートバージョンもあって、衣装は楽しみでしたね。
ちなみにこの監督とパムは撮影中あまり仲が良く無かったらしいです。監督にとってこの作品が自分の作品の中で一番嫌いだったそう。きっと...ここからは私の想像ですが、監督はもっと奇妙な感じにしたくて、パムに色々と要求したけれど、パムは「ふざけるな!」って感じだったかもしれないですね。ある意味パムはAIPのお嬢でしたからね。色々とパム側から撮影に関して要求していたようですし。監督のやりたかった事とパムのやりたい感じが衝突して、普通の映画になってしまったのかもしれないですね。
悪役が雑魚から大物まで居て、そのように悪役がちょくちょく変わるのもダメだったのかもしれません。最後の大物悪がそんなに悪そうじゃなかったし。
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(3.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)