The Marva Collins Story / マーヴァ・コリンズ ストーリー (1981) 100本目
この映画のタイトルにもなっているマーヴァ・コリンズという人は実在していて今でも健在です。南部生まれで大学もアトランタのクラーク大学を卒業して、シカゴの公立の小学校で教師をしていました。教えるという事に情熱的で真面目なあまり、学校や他の教師と対立して孤立してしまいます。でも彼女の情熱はそこで冷めませんでした。なんと自宅を改造して自分の学校を作ってしまうのです。凄いですよね。もちろん献身的な夫や家族の支えもありました。彼女は成功させて、レーガン政権時代に教育長官に選ばれましたが、学校で教えていたいという希望もあって断っております。彼女の学校に入った子供の多くが特別学級やそのラインギリギリの子供達です。小学4年生で字が読めないという子供も多い中、彼女のクラスで勉強した子供達はその後にプラトンやシェークスピア等を読めるようになるんですよ。卒業した子供達はハーバード大などに進んだ子もいるそうです。公立で知恵遅れとレッテルを貼られた子も、卒業後には奨学金で大学に進んだ子もいるんです。勉強で問題のある子供達だけでなく、暴力的で問題児だった子まで大学に通う程になるんですよ。でも出る釘が打たれるのは日本だけではない。アメリカでも同じ。彼女も本当は元々からテストを行って優秀な子供を集めていたとかいう噂まで出ました。でも彼女が行っていた事が正しいかどうかは、その後の子供達の成長ぶりにちゃんと現れていると思います。
そのマーヴァ・コリンズを演じたのがシシリー・タイソン。この前も書きましたが、ドラマ作品が得意の名女優。名女優というと、私はこのシシリー・タイソンかルビー・ディを思い浮かべます。今回はどストレートに彼女のフィールド(ドラマ)で、ノビノビ活き活きしています。ピッタリです。マーヴァ・コリンズの献身的な夫を演じたのがモーガン・フリーマン。もうこの2人の共演というだけで見る価値があると思います。こういう普通な夫役のモーガン・フリーマンって、実はあんまり無かったんですよね。そういえば、モーガン・フリーマンは「Lean on Me / ワイルド・チェンジ (1989)」でジョー・クラークという、やはり実在する校長先生を演じているので、ジョー・クラークとマーヴァ・コリンズというアメリカ教育界の夢の共演??この映画は色んな意味で夢の共演ですね。
私、この映画で号泣しました。作り方がとても上手い。もちろん主役のシシリー・タイソンやモーガン・フリーマンの上手さもあるんだけど、80年代独特のストレートさかな?主役が愛に溢れていてポジティブなので、見ていて爽快なんですよね。私もこんな先生に会いたかったーと号泣です。しかも子供が頑張ってるーと号泣です。とは言え、自分にも同じ位の子供が居るので、とっても為になりました。やらせる事と教える事は違うんだなーと思いました。普通の学校や先生や親(私も含めてね)は、子供にやらせる方が楽だから、やらせてしまう。「やれ、やれ」ってね。それじゃダメだなって思わされました。活力を生み出す映画です。80年代らしいです。
マーヴァ・コリンズの手作り学校はその後に「マーヴァ・コリンズ学校」と名前を変えて、その後には娘のシンシアが継いだそうです。しかし残念ながら去年の6月に資金難で閉鎖されてしまってます。しかも、その後にシンシアが39歳の若さで亡くなってしまい、残された子供はマーヴァが面倒を見ているとの事。あの学校が無くなってしまったのは本当に残念。
Marva Collins School to close | abc7chicago.com
しかしなんでみんなシカゴに集まるんでしょうか??マーティン・ルーサー・キング牧師も、シカゴで貧しい人の為の運動をするので家族でシカゴに引っ越しているし、バラク・オバマもハワイで生まれ育って、大学でロサンジェルス、そしてコロンビア大でニューヨークと行って、最終的にはシカゴ。マーヴァ・コリンズも南部出身で南部の大学を出ているのにシカゴで先生。シカゴはそういう所ですよね。実は私の夫のラストネームは珍しいのだけど、同じラストネームを調べると夫の出身地かシカゴに多く居るんですよね。
という訳で節目の100本目で号泣しましたので、またいいスタートとなりそうです。いい映画見るぞ!
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)