ブレイクダンスの世界大会「バトル・オブ・ザ・イヤー(Battle of the Year)」を追ったドキュメンタリー。その中でも優勝に一番近いと思われる、日本代表・フランス代表・韓国代表・アメリカ代表の4チームを追っています。「バトル・オブ・ザ・イヤー」だけでなく、ブレイクダンスの歴史にも触れて、ロック・ステディ・クルーのケン・スウィストとか出て来てブレイクダンスについて語っています。ブレイクダンスというと、私は「ワイルド・スタイル」とか「スタイル・ウォーズ」とか「Beat Street / ビート・ストリート (1984)」とか、LAが舞台だけど「Breakin' / ブレイクダンス (1984)」とか思い浮かべるんですが、一般にインパクトあったのが世界中で大ヒットした「Flashdance / フラッシュダンス (1983)」だったという。この映画で主役のジェニファー・ビールスが立ち止まって見入ってしまうのがケン・スウィストやミスター・フリーズ、フロスティ・フリーズ、クレイジー・レッグスのロック・ステディ・クルーの面々のブレイクダンス。この映画を見て、ブレイクダンスに夢中になった少年達はこのシーン見たさに何度も映画館に足を運んだそう。日本でもこの映画は数々の賞を取ったりして愛された。日本も長い道のりながら、Bボーイ達の歴史が始まり根付いていった。世界でも同じであって、世界大会が行われる程に発展している。中国やイスラエル、アフリカという国も参加。日本はまだ優勝こそないが、いい成績を残した先駆者のお陰で大会でも一目置かれている存在で優勝候補にもなるのだ。
この映画では、2005年のバトル・オブ・ザ・イヤーを追っています。この大会では、大阪・京都の一撃というチームが日本代表となって大会に出場。その中でもKatsuというチームのリーダー的存在の男性を追ってます。日本チーム、カッコいいんだー。世界という場所で才能という武器で鎬を削っているのでカッコいいというのもありますが、彼等のその態度がカッコいい。フランスとか韓国とか口が悪いんだ。カメラの前でもお構いなし。彼等が国の歴史をも背負っているのが分かります。各国の緊張感もあります。でも日本チームは礼儀正しいし、ブレイクダンスを心から楽しんでいるから美しく見える。後、日本チームはビートを大事にしているのが良く伝わります。
韓国もかなり凄いです。大会の設立者のインタビューでは韓国はヨーロッパが15年も掛けてやってきた事を5年でやってのけたと言わしめる程。またこの大会で活躍してきたチームが本国に帰った時にブレイクダンスで活躍出来ているので、益々熱は上がるでしょうね。日本も一撃やその他の先駆者達が大会でかなり活躍しているし尊敬もされているのに、韓国チームの大会後のような活躍は日本では期待出来ないですからね。日本のメディアの皆さんも彼等の活動をもっと理解してあげて欲しい。ホント、彼等は尊敬出来るカッコいい男達だぞ。そうなれば、もっともっと日本でも熱くなる筈。
映画的にはらしいカッコ良さが前面に出ています。また大会後の男達の姿がこれまたカッコいい。言葉も宗教も全然違うけれど、ダンスだけで通じ合える。またDVDオマケ映像のブレイクダンスがブロンクスからどのように広がっていったかというのも面白かった。
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(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)