以前にNHKで放送していたので見た方も多いのではないかと思います。私もその時に見て、再放送を見たのも覚えてます。一時期ずっと好きな俳優をジェームス・アール・ジョーンズと語ってました。この映画がその理由でした。丁度ジオシティにHTMLだけのホームページを作っていた頃。懐かしいなー。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師がデクスター・アベニュー・バプティスト教会に就任する前に、その教会の牧師がこの映画の主役ヴァーノン・ジョンズでした。ヴァーノン・ジョンズは各地を転々としながら説教をしていた。娘達が年頃になってきたのもあって安定したいと落ち着いたのがデクスター・アベニュー教会。娘達にも「差別して当然だと思っているバスには乗るな!」とか、同じ理由で映画を見る事も禁止していた厳しいパパであり、説教するというと多くの人が集まる人気の牧師でもありました。娘達には「バスボイコット」を強要していましたが、教会に通う黒人には強要はしませんでした。でも黒人達も経済的な力をつけようという教えを面白い形で実践していた人でもありました。また「ジムクロウ」というのは変えられないと思っていた黒人達の意識を変えようとしていたと思います。この映画を見るとキング牧師が進めた公民権運動の種がいかに撒かれたか分かると思います。こういう全ての事実を後から考えてみると、やはりヴァーノン・ジョンズに然りキング牧師に然りローザ・パークスにラルフ・アバンナシーに然り...彼らがアラバマのモントゴメリーに集まっていたのは、何かの強い縁運命を感じます。
面白いのがこの映画をプロデュースしたのが、元NBAのスターでありブルース・リーの対戦相手であったカリーム・アブドゥル・ジャバー。彼は有名なネイション・オブ・イスラム信者だから、このようなバプティストのキリスト教の映画を作るのは意外だと思います。もちろんカリームも公民権運動で活動した一人ではありますが...
さすがにこの映画で好きになっただけあって、ジェームス・アール・ジョーンズの堂々とした演技は素晴らしいです。ホイットニー・ヒューストンのお母さんシシー・ヒューストンが教会のピアノ演奏者なのですが、その2人のやりとりが面白いです。また娘のベイビー・ディ役の子が上手い。「The Great Debaters」等のジャーニー・スモレットを思い浮かばせます。そのベイビー・ディの台詞「私はパパとは違うの」っていう台詞がいいです。彼女は「Chappelle's Show」のスキットにも参加したそうで、顔が思い出せなかったのでもう一度見ちゃいました。大人になってるのですねー。デイブ・シャペルにリベンジされる女性役でした。後この映画で印象に残るのは、やっぱりジョンズに感化されたコーチヒル役の人かな。
本物のヴァーノン・ジョンズについては、こちらで。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)