という訳で、引き続き第2弾目の「Black Men」を見た。
今回はこの前とは違って割りと賛否両論のようで意見が分かれているようです。
私も50/50かな?この前のとは変わらないけれど、最後だけは良かった。
今回は「Black Men」という事で黒人男性に絞られています。スパイク・リーも出てきて(St. Annaのプロモでしょ、あれは)、映画やマスコミでの黒人男性のイメージを語っていました。「良識的な黒人男性を映画で描きたくても、スタジオはお金出さない」と怒ってました。相変わらずです。でも「Inside Man / インサイド・マン (2006)」でようやくヒットしましたよね?とか言われてました。
またラップのイメージも検証していた。ラップが与えている印象が悪いという物。確かにイメージは悪いけれど、それを望んでいるのは観客だと思う。で、ラップのミュージックビデオに出てくる女性たちの姿がとやかく言われているけれど、女性シンガーの人達が同じような露出している衣装で踊って歌うと「芸術」になってしまう不思議... そこまで突っ込んで欲しかったです。
コメディアンのD.L・ヒューグリーも出てきた。サウスセントラルに住む元ブラッズという事で。確かに元ブラッズらしいけれど、サウスセントラル出違うじゃん!!
ラストだけは良かった。
黒人が学業でも会社等でも劣っているのは、黒人家庭に父親の存在がないからだ... みたいな答えしか出さないのかなーと思ってたんです。1時間40分位まではそんなムードでしたから。マイケル・エリック・ダイソンってご存知ですかね?ジョージタウン大学の教授で、キング牧師についての文献や、ヒップホップについて語る学者なのですが、最近では彼がオバマ支持者で妻がヒラリー・クリントン支持者だった為に、TVのニュース番組に2人そろって出演して喧嘩してましたっけ。そのダイソンの弟が今は刑務所で生活しています。番組では、同じように父親に愛されて育った2人の違いについて、2人が語ってました。その弟は「選択の違いだろうね。兄はいつもちゃんとした選択をしてきたから」と述べてました。私の思っていた事をズバリと言ってくれてました。昨日書いた住居についても、やっぱりその人の「選択」だと思うのです。もちろん、ハーレムでちゃんと普通の生活出来て立派な人も居るし、そうじゃない人も居る。そうじゃない人はやはり移るという「選択」もあるんだと思う。でも昨日、夫から指摘されたように、「郊外では差別にあう」という実体験を語っていた人も居た。成功して郊外に移ったら、近所の人の通報で何もしてないのに逮捕されそうになったと言っていた。でも今では近所とも(全員じゃないと思うけれど)仲良くやっている様子が映し出されてました。やっぱり最初は辛いかもしれないけど、自分達がそうじゃなければ堂々と住めばそういう摩擦も解消出来るんじゃないかな?と希望が持てた。
もう一つ印象的だったのが、そのダイソンが「僕の方が色が白いから成功出来たのかも」と弟に対して申し訳ない気持ちで泣きながら語った所。確かにこのスペシャルではそんな印象を受けたのはある。広告界で成功しているとして登場した男性も色は薄めだったし、ダイソンの兄弟のように兄弟の中で運命が分かれてしまったアーカンソーの兄弟も兄弟の中で色が白めの人は成功していた。でも、実際は違うんじゃないかな??そういう場合もあるけれど、そうじゃない事だってあるだろうし。うちの夫の兄弟を見ても、うちの夫が一番色が濃いけれど、兄弟の中では割と成功している方だと思う。いや、一番色の濃い妹が一番成功してるし。色というより、その人の努力と選択だと思う。
この番組の批評で一番的を得ていたのが、カレン・ハンターという人の言葉。
「誰があの「Black in America」の放送を見ているというの??ブルックリンでそれぞれが違う父親をもつ5人の子供を抱えたシャニークアは見たかしら?バルチモアの街角でクラックや麻薬を売っているジェームスは??サウスセントラルのブラッドのTボーンとその仲間達は?そしてそのすぐ別の向こうの通りのクリップスのメンバー達は?マサチューセッツのサムヴィル高校(90年代に人種闘争があった)を退学したばかりのジャニスは見たかしら??私の問題はそこなの。この番組で取り上げた事を一番伝えなくてはならない人々に伝わってないという事なのよ。」全文はこちらのブログで。
確かにね。伝わるべき人間は私じゃなくって、実際にそういう境遇に居る人達だよね。