冒頭からどこかで見た風景だなーと思っていたら、ウェルカム・トゥ・○○!あ、私が前に住んでいた小さな町じゃないですか!びっくり。いちようロサンジェルスの端くれなので、映画やテレビの撮影によく使われる事はある。最近では「Hancock / ハンコック (2008)」でらしき場所を見たし、あのザ・サウスセントラルな映画「Boyz N The Hood / ボーイズ’ン・ザ・フッド (1991)」や「Colors / カラーズ/天使の消えた街 (1988)」でも使われたらしい。よく撮影場所を誘導している謎の言葉「CSI」とか「NCIS」か書いてあるプラカードを見かける事はあった。でもあの町が舞台になる事は皆無なので、びっくり。しかも知らないで偶然に見ただけだし。住んでいたのは2年も前になってしまったので、あの風景を見ると懐かしくノスタルジックになってしまいます(丁度思い出が綺麗になっていく時期だね)。
映画はその港町に住む親友の2人とパパ1人。チャンスという男の子のパパがエド・ハリス。チャンスの幼い頃からの親友がビート。チャンスのパパがビートが父親から虐待を受けている事を知り、ビートの家に殴りこみ殺してしまう。それで、パパはずっと監獄。その監獄ではアーリアン・ブラザーフッドのヘッドに君臨。20年経ち、チャンスも刑務所に入っていて、腕の強さで有名だった。そのチャンスが刑務所を出た時に、彼女から息子がいる事を知らされて、彼女は息子とチャンスを捨てて出てしまう。チャンスも外に出ても様々なトラブルに巻き込まれてしまう。でもエド・ハリスパパが刑務所内からヘッドとして息子を守ろうと必死なのです。チャンスは知らずにタラジ・P・ヘンソンが演じる黒人女性と恋に落ちる。そして、エド・ハリスパパしか知らない事実もあったりして... 幼いチャンスには分からなかった事実。親友のビートは肉体的な虐待でなく、別の虐待も受けていたのです。いちようインターレイシャル恋愛で、パパがアーリアン・ブラザーフッドという事だけど、そんなに硬く難しくそれらを語っている訳ではありません。
物語は中々面白かった。ちょっと80年代ぽいけど。80年代ぽいと言えば、主役のチャンスは80年代ぽい雰囲気。IMDBで観ると今風の男前なのに!というか、あの町が80年代ぽくて、そうさせてしまうのかも。なんてたってあの80年代の美メロの一つチャッキー・ブッカーの「Turned Away」を生んだ古い港町だからね。でもチャンスとビートが色々な物を隠していた木造の桟橋はあの町になかった筈だし、盲目のオバサンが住んでいたトレイラーハウスが集うモビール・コミュニティも無い。”ロボコップ”ピーター・ウェラーが経営していたような洒落たジャズクラブも無いねー。もっと場末なバーはあるけど。ブラッズのメンバーを演じていたスティッキー・フィンガーズが出てたりと、なんだか悪い町に見えるね。そんな事ないんだけど... でもエド・ハリスパパが港で働くブルーカラーで、チャンスは「俺も父さんみたいに港で働きたい」と言うんですわ。そこはあの町を上手く表現してくれていたかも。
(4点/5点満点中:DVDにて港のヨーコを思い出しながら鑑賞)