Abby / アビィ (1974) 22本目
なぜか日本の方が先にメディア化されていた作品です。ようやくアメリカでもDVDが販売・レンタル開始っす。わぉ。
結論から先に言ってしまうと、こういうの大好きです。ここまで完璧にやってくれると好きになっちゃうんです。何よりも主役のアビィを演じたキャロル・スピードの体当たりの演技が気に入りました。今までは、暴露本等を出版したのもあって、嫌な女とも思っていたんです。ごめんなさい。いやー、捨て身な女は凄いっす。マックス・ジュリエンや下の「Leadbelly」等に出演していたロジャー・E・モーズリー、そしてリチャード・プライヤーまで出ていた「The Mack / 日本未公開 (1973)」にも出演し、その映画に出演していた本物で有名なピンプでありギャングだったワード兄弟の1人フランク・ワードと付き合っていたらしいんです。そのフランク・ワードが路上で殺されたのがきっかけにお金もなくなり、この映画に出演する事になったそう。本当に捨て身だったんですね。フランク・ワードは殺された時には別の女と一緒だったそう。しかも、自分のアパートを一味に荒らされたりと、かなり危ない目にも遭っている。彼女が演じた役は、アフリカに眠っていた性的に満たされない悪霊がとりついてしまう女性。でも思っている程、エロい描写は出てきません、残念ながら?でも、エエ子の時と悪い子の時の変わりようが面白いです。この役は捨て身な彼女なしにはあり得なかった事でしょう。事実、この役は当初別の女優さんに決まっていて、その女優さんはマッサージ師をリクエストした為に、制作費の無い製作側が激怒して、別の女優を探していた時に捨て身なキャロル・スピードを見つけたらしいです。ま、アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ製作なので、当初だれがキャスティングされていたか、大体は想像出来ますが...
もう1人忘れてはならないのが、ウィリアム・マーシャル。「Blacula / 吸血鬼ブラキュラ (1972)」シリーズでは悲しき哀愁漂うドラキュラブラキュラ伯爵を演じていた俳優。ポール・ウィンフィールドと従兄弟というのも興味深いですね。やっぱりこの人が居るから映画がまとまっていたように思うのです。あの歯切れのいい台詞回しがたまりません!でもこの映画自体は気に入っておらず、勝手に台詞に「ヨルバ族が...」とか付け足したらしいです。
内容が「エクソシスト」に酷似な為に「エクソシスト」の制作会社ワーナーブラザースから訴えられ、上映を途中で辞めてしまう事情がありました。この話が逆に1人歩きして、カルト化した感じもあります。でも、この作品それに負けない位に面白いですよ。テンポが速くて見やすい。ケンタッキーのルイビルが舞台というのも珍しくて面白いです。
私が好きなシーンはアビィがレントゲン室でレントゲンを取られているシーンです。音のあるシーンとイラつくキィーキィーする音のあるシーンと。どーでもいいシーンなんですが、ちょっと精神的に異常ぽくて好き。
アビィの夫を演じたテリー・カーターとアビィの兄を演じたオースティン・ストーカーの2人が中々ダンディな感じで素敵でした。
感想はこちら。
(4.75点/5点満点中;DVDにて悪霊と共に鑑賞)