後悔。
映画館には見に行かなかった。何となーーくポスターのセンスの無さに映画の全てが物語られているようで...
DVDまで待った。私は間違えていた。中々面白い。いや、さすがに途中までは横山やすしのように「どないやねん」とエアメガネを上げる振りして、突っ込んでいた。最後は凄くありがちだけれど、中々最近のコメディにしちゃ上手くまとまってました。教会でどないやねんと思ったけれど、結構それらしくまとまってます。すごい鉄板な終わり方ではありますけれど... 逆にいいんじゃないでしょうか?キャスティングの勝利でしょうね。アイス・キューブは本当に素晴らしい。共演のトレイシー・モーガンがアイス・キューブについて「アイス・キューブは俺達みんなを体現しているんだ」と語っていたけれど、本当に彼がどんな役をやってもどこか自分と重ねてしまう男性が多いのではないかと思う。スーパーヒーローでもないし、極悪な犯罪者でもない(顔は怖いけどね)、完璧な人間じゃないけれど、どことなく頼りがいがあってカッコいい。絶対に嫌われないタイプ。
シドニー・ポワチエとビル・コスビーの70年代のコメディ3部作を意識して作ったそうで、本当にその3部作を思い出せる作りになってます。その3部作に欠かせなかったのが、第3の男。ハリー・べラフォンテだったり、ジェームス・アール・ジョーンズだったり、リチャード・プライヤーだったり...したのですが、今回はキャット・ウィリアムス!リチャード・プライヤーを思わせる登場の仕方です。特典映像のNG集では、殆どがキャットのアドリブに他の共演者が笑ってしまう..という物が多かった。自由を与えてアドリブでやらせたのが良かったのか、彼の登場シーンは面白い事が多かった。さらにロレッタ・ディバインとオリビア・コールというベテラン女優2人の存在感が素晴らしい。ロレッタ・ディバインの「レナード」の部分は多分これから何回見ても笑っちゃうと思う。これまた、嫌われ者を演じさせたら天下一品のマイケル・ビーチも出ている。コメディアンのリッキー・スマイリーが久々にお婆ちゃんの扮装をしていたのは、コメディファンには嬉しいかもしれないっすね!
トレイシー・モーガンが変装で水中眼鏡をかけたそうで、それが非常ーーーに面白い顔なのだけど、撮影前にアイス・キューブが「ドゥレル(キューブの役柄)が、リージョン(モーガン)にそんな事させると思うか?」と監督に言ったらしい。その姿は本当に面白いので監督は入れたかったんだけど、諦めたらしい。キューブってプロ。そういう所が好かれる部分だと思う。その姿はDVDのメニュー画面で見れる。
それにしても、やっぱりアイス・キューブ。無茶苦茶にカッコいい兄貴である。
感想はこちら。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)