1930年代頃から活躍していたミュージシャンのルイ・ジョーダン主演の作品です。この時期は、今の状況と似ているのかな?映画製作において有名なミュージシャンの名前を使用した映画が多く、ルイ・ジョーダン以外にもキャブ・キャロウェイやナット・キング・コール等の多くのミュージシャンが映画で活躍しました。今と違うのは、今のミュージシャン兼俳優の人々はドラマ作品等で演技を真剣にするけれど、この当時は音楽が主になるミュージカル映画です。
また、今のミュージックビデオともそんなに変わらないのかなーと思うシーンも多かったです。それは女性の肌の露出。さすがに今程に過激ではないけれど、やっぱり水着や下着姿っていうのが見られます。当時はあれでも随分と露出度が高かったのではないか?と思います。踊るダンスも当時は足を見せていて、今はお尻に変化しただけじゃないか?とも思う。バックバンドの男性の反応を見ると、そんな感じがします。だからと言って「Bワード」や「Hワード」で女性を卑下にはしてないですけどね。
ルイ・ジョーダンの曲は以前にも書きましたが、本当に多彩。「The Green Grass Grows All Around」のような子供の遊び歌のような楽しい曲もあれば、しっとりと聴かせるブルースのような曲もある。聴いていて飽きないです。ミュージカルとしての役割を十分に果たしています。
ブラックの(ルドルフ・)ヴァレンティノと呼ばれたロレンゾ・タッカーという俳優が出演しています。ルドルフ・ヴァレンティノはイタリア生まれでハリウッドで活躍した2枚目の俳優です。その彼の名前から、2枚目を表現するタッカーのニックネームになっているんです。2枚目を見るのは誰だって楽しみじゃないですか?私も楽しみにして見たのですが、... ヴァレンティノは確かに今見てもすごく2枚目だと思います。ロレンゾ・タッカーは、私の2枚目定義からは外れている気がします。とある本に載っている彼の写真はかっこいいんですけどね、動画はそんなにって感じでした。ま、この時期の黒人の2枚目は「いかに白人に近いか」って事だったか、良く分かります。肌の色はもちろん、髪がストレートに近いとか、そういう部分だけで「2枚目」だった訳です。この時代の「ブロンズのクラーク・ゲーブル」とか、「ブラックの...」とかいうニックネームに、私は何度騙された事か... 人々の美の定義は時によって変わっていくので仕方がない事ですね。個人的な趣味が大きく関わってくるし。
ラジオの司会役で登場する人が、モス・デフ似です。なんて言ったらファンが怒るかな?でも、笑った横顔がそっくり。
この映画は以前の「Look-Out Sister / 日本未公開 (1947)」よりも保存状態が良かったのか、ぶつりと切れる事もなく見やすい作品です。編集もちゃんとされています。
感想はこちら。
(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)