いやー、着実に時代は前進しているね。こんな日が来るとはね、胸熱。とか書いてる癖に、劇場に見に行ってない奴ぅー。1月の中旬だったから、まだ忙しかったのよ。そのうちにと思っていたら、もう終わっていたパターン。いや、何がそんなに嬉しいのかって、この作品は黒人の監督と脚本コンビなんだけど、黒人の事を描いている訳でもなくて、白人俳優が主役な訳さ。しかもラッセル・クロウはアカデミー賞受賞俳優。一流っていう枠。こういう映画の監督と脚本という主力が黒人なのは、今まで殆ど無かったね。思い出せるのは、フォレスト・ウィッテカー監督の「Hope Floats / 微笑みをもう一度 (1998)」と「First Daughter / ホワイト・プリンセス (2004)」位かなー。あ、この映画にも出ているマーク・ウォールバーグの「Shooter / ザ・シューター 極大射程 (2007)」もそうだね。でもいずれも監督だけで、脚本は違った。監督は「Menace II Society / メナース II ソサエティー/ポケットいっぱいの涙 (1993)」で90年代のフッド映画という旋風を巻き起こしたヒューズ兄弟の片割れアレン・ヒューズ。双子の弟。そして脚本家はブライアン・タッカー。今回が初。最近良く聞く「ブラック・リスト」って分かりますかね?年末位に発表しているんだけど、まだプロデュースが決まっていないけれどハリウッドの重役達にアンケートを取ってお気に入りの脚本をリストアップしていく事。ウィル・スミスの制作会社オーバーブルックスの重役が始めたのよ。「JUNO/ジュノ」とか「バベル」に「Safe House / デンジャラス・ラン (2012)」も同じく「ブラック・リスト」入りした脚本だった。今回のブライアン・タッカーみたいに今回が初となると、それはそれは凄いチャンスとなるのです。というか、それらを前面で宣伝しないのも時代が変わってきたなーと感じずには居られません!
という事で、そのブライアン・タッカーが書いた物語は、ニューヨークを舞台にした腐敗政治。冒頭からいきなり、ショーン・ベルとかトレイヴォン・マーティンを思わせる事件が起きる。少年を殺してしまったのがマーク・ウォールバーグ演じる警官ビリー。しかし、ニューヨーク市長(ラッセル・クロウ)とコミッショナー(ジェフリー・ライト)がその証拠を隠滅して、ビリーは無罪。しかし警官を辞めて、7年後の今は探偵で生活。浮気調査とかが主。あまり稼ぎは良くない。そんな所に、またニューヨーク市長が電話かけてくる。妻が浮気している様子だから調査してくれと。しかしそれは... という政治スリラー。まあ大体想像通りではあるけれど、まあ見れちゃうかなー。
ヒューズ兄弟というと、もの凄く生々しい映像が特徴的。「メナス」もだけど、「Dead Presidents / ダーク・ストリート/仮面の下の憎しみ (1995)」では、ベトナム帰還兵が肉屋で肉を切っている時に血を見て、戦争時の人の死体とフラッシュバックして...というグロテスクな描写もあったり、なによりあのラストの白塗りはかなりのインパクトがあったよね。それは今回全く無いね。印象に残るようなシーンが無いんだよね。まあ唯一あるとしたら、ビリーの恋人が出演したインディ映画が完璧なエロ映画じゃないか!という事位かな?台詞もね、やっぱりどことなく黒人ぽい。NBAのニューヨーク・ニックスのジョークとか、ラッセル・シモンズのディスwとか、ニューヨークではちゃんとしたセンテンスで話せる奴はいないのか?とか。やっぱり何かリズムが違うというか、違和感があるんだよね。いくら、マーキー・マークでも。
しかし凄いキャスティング!
(3.75点/5点満点中:5/6/13:DVDにて鑑賞)