さすがにクリスマスの当日には行けないので、次の日に行ってきました。混んではいませんでしたが、まあまあの客の入り。モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの映画の予告でいきなり涙。人の気配を感じずに世界に浸りたいので... というか、視力の関係でいつも前から2番目か3番目に座ってます。ハンカチで目を押えると、泣いているのが後の人たちにバレバレになってしまうので、誤魔化しながら涙を拭く。
いきなりかよ... まだ始まってもいないのに。
素晴らしかったです。一言で表すならば「美しい」。風景も美しいし、人々も美しい。いやー、本当は5点満点でもいいかな?と思ったんですが、事実と少し違う部分に引っかかってしまいました。実際はハーバードではなくて、USC(南カリフォルニア大学)。USCと言えば、フットボールにバスケットボールにスポーツで有名。後は、ジョージ・ルーカスが居た映画学科ですね。もちろんアカデミックも優れているんですけどね... 学費が高い事でも有名です。でもUSCよりは、ハーバードの方がインパクトがあるからでしょうね?ウィキで知ったんですが、ハーバード校内で撮影するのは難しい事なんですね。1970年の「ある愛の詩」以来ですって。その甲斐あってか、ラストシーンはとっても趣があって重量感あるシーンになってましたね。ま、結果オーライで5点満点でもいいんですけどね。なんとなく「いまを生きる」っていう映画を思い出しますね。あちらはニューイングランドの名門校でだいぶ設定には違いがあるんですけど。いきなりデンゼルがラングストン・ヒューズの詩を読むシーンとか。机に立った部分だけですって?いやいや...設定は違うけれど、詩情な台詞とか風景とかね。
オプラ・ウィンフリーのスペシャル番組を見たんですが、デンゼル・ワシントンは「アントワン・フィッシャー」のデレク・ルークみたいに、この映画に出た若手3人を有名にして次回作に繋がるようにしてあげたかったと言っていた。その若手の1人である、素行の悪いヘンリー・ロウを演じていたネイト・パーカーは、そのスペシャル番組にも出ていたのだけど、デンゼルオタクになっていて面白かった。デンゼルの言葉を書き留めているのよ。でも彼は、そのデンゼルの言う通りに、もっと役を理解する為にもこの映画に出てくる詩人や作家の作品を全てちゃんと読んだらしいです。その甲斐あってか、役通りに知性を感じてとっても魅力的でしたよ。凄い名前のデンゼル・ウィッテカー君も一番年下で可愛くて魅力的で大活躍。でも何と言ってもジャーニー・スモレットですね。大人になって綺麗になったなーとも思ったけれど、さらに達者になって本当に魅力的。綺麗なだけならハリウッドにも沢山いるので、彼女みたいな女優さんがもっと活躍できる場があればなーとも思います。もう1人のバーゲスを演じた彼はアンソニー・アンダーソン枠決定。という風に、デンゼルの手腕で、若手の役者の魅力を最大限に生かしていたと思います。デンゼルの思惑通り。
でもベテランも負けてないんだな。デンゼルとフォレストの口論シーンにタイミングよく入ってくるのが、キンバリー・エリスとジーナ・ラヴェラ。2人共に素敵でした。キンバリー・エリスにいたっては、さすがにデンゼルに気に入られているだけあって存在感もありましたね。やっぱりそのデンゼルとフォレストの口論シーンと、フォレストがデンゼルを助けに行くシーンが見所ですね。ブラックムービーのジャンルで、オスカーを取った俳優が2人揃って映画に出る事もなかったですから、今まで。
デンゼルは、かなりもったいぶるのが好きだと思いました。「CMの後で」とか「続きはウェブで」みたいな手法が2度も出てきた。さすがに2度目は、本当に好きねーと思った。同じ映画で2度もよ...
内容は在り来たりだしスポ根系ではあるんですが、そこまでに行く過程とかとっても理解し易い映画。親子関係、先生と生徒という関係、友情、愛情... 色々と考える事が多いです。そこには南部の悲しい歴史とかも垣間見られるので、ぜひとも文部省推薦!にして、学校で見せて生徒達が道徳のディベート題材にするのにもピッタリかと...
最後、劇場は拍手の嵐でした。ああやって素晴らしい物に素直に拍手できる人たちも美しい人たちだわって思いました。美しい作品がなせる業でしょうか?
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(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)