The Great Debaters / 日本未公開 (2007)
Cast >> Denzel Washington (Mel Tolson), Forest Whitaker, Kimberly Elise, Jurnee Smollett (Samantha), Jermaine Williams (Hamilton Burgess), Denzel Whitaker (James Farmer Jr.), Gina Ravera, Nate Parker (Henry Lowe) ...
Director >> Denzel Washington
Writer >> Robert Eisele, Suzan-Lori Parks
Producer >> Denzel Washington, Oprah Winfrey, Todd Black ...
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Praise of Human
メル・トルソン(デンゼル・ワシントン)は、テキサスの小さな大学ワイリー大にて英語を教えており、ディベートチームを率いていた。1935年のディベートチームに選ばれたのが、バーゲス(ジャーメイン・ウィリアムス)と素行に問題のあるヘンリー(ネイト・パーカー)と、女生徒として初めてのチーム入りになるサマンサ(ジャーニー・スモレット)、そして有名な学者(フォレスト・ウィッテカー)を父に持つジェームス・ジュニア(デンゼル・ウィッテカー)の4人だった...
南部独特の美しい風景というと、バイユーが思い出される。そのバイユーと言えば、ルイジアナの顔だと思っていた。この映画では、バイユーにも似た美しい風景を十分に駆使した映像の数々に、美しい人々がクローズアップされる。でも南部には特有の別の悲しい顔がある。ジムクロウと言われた黒人を差別する為の習慣... 法律。目を背けたくなるシーンに台詞。でもそれらが必要があって映画に存在している。その困難を乗り越えたからこそあるラストシーン。この映画はドラマ作品である。ドキュメンタリーじゃない。だからこそ、全てが繋がる。また色々な顔をもった作品でもある。社会問題ドラマとしての一面。親と子供のドラマとしての一面。初恋を通して成長する一人の男の子のドラマとしての一面。時代に求められた男のドラマとしての一面。女性の先駆者のドラマとしての一面。これら全てが一つに上手くまとまっているのも素晴らしい。それでいて、わざとこの台詞・シーンで笑いと取ろうとかするのではなく、自然と観客が笑ってしまうのが素晴らしい。それは、普段の生活で思わず笑ってしまうのと同じ感覚。
事実とは少々異なる事があるのが、少し残念ではある。なぜならワイリー大は実在し、本当に全国大会で優勝した経験がある。そして、ジェームス・ファーマーJrが後にCOREという団体を設立した事実があるからだ。どうせなら事実に忠実の方が説得力があったかもしれない。
時に笑い、時に泣く、時に悩み、時に微笑む... 我々の色んな面を見せてくれる。デンゼル・ワシントンは、全編で美しい色々な面を持った人間讃歌を見せてくれる。
(12/26/07:劇場にて鑑賞)