スペンサー・ウィリアムスが監督・出演のコメディ作品。
スペンサー・ウィリアムスと言えば、国立フィルム登録簿に登録されている「The Blood of Jesus / 日本未公開 (1941)」。南部で生活しているクリスチャンを描いた作品。もちろんそれまでにも南部で生活している黒人を描いた作品はあったが、黒人側からしかも内面を描いた作品はあまりなかったように思える。どちらかと言ったら、差別に苦しむ主人公...というのが主だった。そういった意味では、スペンサー・ウィリアムスはそれの先駆者。新しい事をやっていたように思える。ま、ラップで言えば、スカーフェイス的ですね。
で、今回は南部のカルチャーを生んでいたジューク・ジョイントが舞台。所謂酒場です。今の時代クラブが新しい物の発信地。いつの時代もお酒がある所で新しい物が生まれるのか?当時のダンスや流行が、この映画でも垣間見られます。音楽好きにとってジューク・ジョイントといえば、デルタブルース。でも、この映画はテキサスのダラスが舞台なので、残念ながらブルースではなく、ジャズがメインでした。
南部のカルチャーだけでなく、南部といえば...おもてなし。その南部流のおもてなしも見られます。
実はこの映画、あやうく捨てられる所でした。テキサスにこの映画を含めた多くの黒人監督のフィルムが眠っていたのですが、ダラスにある南メソジスト大学のフィルム・ビデオ・アーカイブのオフィスに一本の電話が掛かってきて、何とか救われました。その辺の経緯はG. William Jonesの「Black Cinema Treasures」という本に詳しく載っております。
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