Cast >> Presley Chweneyagae (Tsotsi), Terry Pheto (Miriam), Kenneth Nkosi (Aap), Mothusi Magano (Boston), Zenzo Ngqobe (Butcher), Zola (Fela), Israel Makoe (Tsotsi's father), Percy Matsemela (Sergeant Zuma), Jerry Mofokeng (Morris), Benny Moshe (Young Tsotsi) ....
Director >> Gavin Hood
Writer >> Athol Fugard (novel), Gavin Hood
Producer >> Peter Fudakowski ....
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Africa Now!
ツォツィ(プレスリー・シュウェニガー)は、ヨハネスブルクの郊外ソウェトの家出孤児だった。今はギャングのリーダーとして、4人の仲間をまとめていた。強盗した際に、仲間と些細な喧嘩になり、むしゃくしゃしたツォツィは1人で車強盗をした。しかし、車には思いがけないものがあったのだった...
日本では、第2次戦争後に生まれた子供達を「戦争をしらない子供達」と呼んだりする。この主人公は、「アパルトヘイトを知らない子供達」なのだ。逆に言えば、我々も「アパルトヘイト」以降の南アフリカについて、あまり知らないのではないか?ついに、アパルトヘイトが廃止だ、やった!の後は、あんまり足を踏み入れていないのが現状。この映画は、アフリカの今が垣間見られる。「アパルトヘイトを知らない子供達」が、アメリカに影響されているのが、十分に分かるのだ。言葉もそうだが、主人公が「中指立て」をしたりしているのを見ると、物凄く驚きを覚える。劇中の音楽も、今のアメリカのラップに影響されているのが分かる。アメリカのブラックエンターテイメントの世界が、逆にアフリカに輸入されている。
物語も、90年代のアメリカのブラックムービーを思わせるのに、なぜか新鮮で面白い。南アフリカの黒人の中にも、「持つ者」と「持たない者」が存在していて、貧困層と中流家庭の溝があるのが分かる。それでいて、アフリカの最大の問題であるエイズを、物語に最大限に取り入れて問題定義をしている。
さらには、今までのアフリカの映画は、物語が最高に面白くても、演技がイマイチ素人ぽい映画が多かったが、この映画の主人公を演じたプレスリー・シュウェニガーと、ミリアム役のテリー・フェトの2人が、素晴らしい演技を見せてくれる。ミリアムが、ツォツィを説得するシーンは、リアリティに満ちている。
アフリカの今は、アメリカの影響を受けつつも、アメリカには真似できない力強さと感動がある。
(10/6/06:DVDにて観賞)