Cast >> Lawrence Cook (Dan Freeman), Paula Kelly (Dahomey), Janet League (Joy), J. A. Preston (Dawson), Paul Butler (Do-Daddy Dean), Don Blakley (Stud Davis), David Lemieux (Pretty Willie) ....
Director >> Ivan Dixon
Writer >> Sam Greenlee (also novel), Melvin Clay
Producer >> Ivan Dixon, Sam Greenlee
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 3 Direct >> 5 Music >> 5
見えない人間
選挙の黒人票集めの為に、CIA(中央情報局)が初めて黒人を雇う事になった。多くの精鋭が集まってきたが、選ばれたのがダン・フリーマン(ローレンス・クック)のたった1人だった。優秀な成績で、CIAに入ったのにも関わらず、重要な仕事をさせてもらえずに、いつも雑務ばかりだった。CIAの態度にうんざりしたダンは、CIAで学んだ技術を使って、黒人組織「ブラック・コブラ」を地元シカゴで結成するが...
全てが上手く出来ている。元々、人気小説の映画化だが、物語や台詞だけなく、主人公の名前やタイトルまで意味があるように思える。主人公の名前「フリーマン」は、奴隷から解放された黒人が好んだ名前だし、タイトルの「Spook」は、主人公のCIAでの立場をよく反映している。お化け(Spook)のように、見えない人間。存在を認められていない、主人公の立場がよく分かる。そして、この物語を監督のアイヴァン・ディクソンは、見事に映像化しているように思えた。CIAの真っ白で無機質な空間である廊下で、真っ黒のスーツを着ている主人公。それだけで、息苦しさを感じる。そして、暴動のシーンも人々の表情が動的で印象に残る。当時の殺気を感じる。
また、アーミーの指揮官のブラックフェイス(黒塗り)にして、麻薬漬けにし、呆気ない最後は意味深い。
ラストの主人公の台詞も意味深い。
見えない人間(Spook)だった主人公が、最後に自由人(Freeman)になれたかどうか、みんなの目で確かめて欲しい。
(6/25/06:DVDにて観賞)