Cast >> Jeff East, Paul Winfield, Harvey Korman, David Wayne, Arthur O'Connell, Gary Merrill, Natalie Trundy ....
Dir >> J. Lee Thompson
Point >> 3.75
Contents >> 3 Performance >> 5 Direct >> 3 Music >> 4
ポール・ウィンフィールドと70年代。
映画の内容は皆が知っている通り「ハックルベリーの冒険」。何の代わりもない。私がこの映画が好きな点は1点。ポール・ウィンフィールドの演技。彼の演技こそ、70年代が残してくれた遺産。
70年代というと、ブラックスプロイテーション(もちろん、ブラックムービーの歴史において)。誰もが、「黒人らしく」を映画で演じていた時代。所が、ポール・ウィンフィールドは、「自分らしさ」を求めた。彼は、いつもナチュラルに男性を演じる。わざとカッコよく歩こうとはしないし、当時の流行の言葉を乱用しないし、大げさに振舞わない。当時一番カッコよかった筈の「黒人らしさ」が、ウィンフィールドの演技の場合は、「自分らしさ」が一番カッコいいよくて、70年代のカッコよさを超越している。いつも自信に満ちた力強い声と、真っ直ぐ見つめる眼力が溢れ、見るものに勇気を与える。そんな彼らしさが、今回の映画では、彼が歌った歌に集約されていた。
だからこそ、中途半端に終わってしまった映画のストーリーの先が、見える気がした。必ずや彼が演じたジムが幸せに暮らしているに、違いないという思わせる程の力強い眼。
ポール・ウィンフィールドの演技とは、そういうものだ。
(5/21/04)