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デンゼル・ワシントンの素晴らしい才能を堪能できる『Roman J Israel, Esq.』

この映画のファーストルック(写真)が発表された時に、あの美しく麗しく煌びやかなオーラを振りまいているデンゼル・ワシントン様が、あまりにもお騒がせで怪しいボクシングのプロモーターのドン・キングぽくて驚き、そして私を混乱させた。デンゼル様って、割りと髪型とか平気で変えて役作りするよね。と。っていうか、あのデンゼル様がいくら役作りとはいえ、ドン・キングぽい弁護士ってどういう事よ!全く分からないよー!と、私を混乱させつつも、「でもそれって今までとは全く違う役を演じているって事だから楽しみだよね!」となったこの法廷ドラマを。

ローマン・J・イスラエル弁護士(デンゼル・ワシントン)はパソコンに向かい、裁判の手続き書を制作していた。「訴訟番号00-00001、絶対的普遍性法律最高裁判所カリフォルニア州所轄)、ローマン・J・イスラエル弁護士対彼自身、ローマン・J・イスラエル弁護士の弁護士資格を永久にはく奪する件で...」と、ローマンはパソコンを打ち続けた。ヘンリー・ジャクソンの下で弁護士として働いた26年間。その3週間前の事、ヘンリー・ジャクソンが心臓発作で倒れ、ローマンが代わりに裁判所に向かうが...

上のプロットだけだとどんな物語かさっぱり分かりませんよね。うーん、ネタバレせずに説明するのが難しい作品なのだけど... ローマンはヘンリー・ジャクソンの下で26年間も働いてきた弁護士。ヘンリーが倒れ、その弁護士事務所の経営が上手くいっておらず、ヘンリーは成功した別の弁護士ジョージ・ピアース(コリン・ファレル)に後の事を頼んでいた。ローマンは別の仕事を探すが上手くいかず、その先でマヤ(カーメン・イジョゴー)と出会う。ジョージは、ローマンの才能を読み取り、ジョージの弁護士事務所に誘われて、手腕を発揮し、とある事件を任せられるが、それはローマンが(ネタバレ自粛)で... ローマンが知らなかった事実が徐々に明らかになっていき...(ネタバレ回避)という物語です。あ、こっちの方がまだ少しわかりますよね。

で、ローマンは弁護士一筋の人で、結婚もせずにヘンリーの下で働いてきた。けれど弁護士だからお金持っている筈なのに、なぜか質素でみすぼらしい余り良い地区じゃないアパートに住んでいる(でも部屋の中はジャズのアルバムに溢れ、アンジェラ・デイビスとかモハメド・アリやベイヤード・ラスティンのポスターがあったりと私は好き)。しかも車も持っていない。その謎が徐々に明らかになっていくんだけど、もう切なくて切なくて... 劇場で「嗚呼あぁあああ!ローマン抱きしめたい!」となりましたわ。しかもローマンはいつもピーナツバターを付けたサンドイッチばかりをリスのように食べている。もうたまんなーーーーーい!デンゼル様はいつもしっかりされた聡明な方なので、母性本能をくすぐられた事はないのだけど、今回初めてくすぐられた。

でもローマンは、まあ一瞬の見た感じも話した感じも、とにかく「変わった奴」。無意識に人を怒らせ嫌われるタイプ。それは映画を見ていると良く分かるんだけど、でも観客は絶対にローマンを嫌いにならない。その上手さこそがデンゼル・ワシントン様なのですよ!!!!!!

Roman J Israel, Esq. / ローマンという名の男 -信念の行方- (2017)(4点:1613本目)