イドリス・エルバが主役ってだけで何の情報も居れずに観ました。なんとなくサスペンスアクションスリラーかなーなんて思いながら。全然違ってるしー。なんていうか『クラッシュ』みたいな群像サスペンスドラマ。邦題もサスペンス要素が濃いけれど、サスペンスぽさは薄目。群像ドラマっていう方が近い。ロンドンには行った事もないし、全く詳しくないのですが、ロンドン南部バタシー地区辺りの100のストリートの間(だから原題が100 Streetではなく100 Streetsな訳です!)で起きている群像ドラマです。
この映画のイドリス・エルバは、元ラクビー選手で、それこそベッカム級の花形選手。なのでモテまくりーのイケイケ男。いちよう結婚して子供も居る。しかし、妻の方も元女優で浮気中。まあその浮気の原因にはエルバの浮気というのもある。この状態、日本だったら完全にSNSで炎上して終りになるパターン。で、エルバが浮気で絡む女性の夫が...とか、エルバ妻が再び演技に目覚めてオーディションにやってきた少年が...と、色々とロンドンで絡んでいくドラマです。そのロンドンの街は、るるぶ的に楽しめる!
『クラッシュ』は良く出来た群像ドラマで、それぞれのドラマが中々面白いパターンでしたが、軽い恋愛ドラマを寄せ集めた『バレンタインデー』なんかは、面白くないドラマの部分もあって中だるみしちゃいますよね。このドラマはイドリスとその妻の肝心な話がイマイチ。最後も「え?」って感じ。タクシードライバーの男性とか、演技に目覚める不良と初老とかの話は中々なのに!私は別に不倫とか浮気にうるさいタイプじゃないけれど、この映画でのこの主人公の2人の話は全くもって理解出来なかった!この話がメインだと同情も共感も出来なかった。なので心にさざ波すらできなかった。最後は迷惑な2人だし。群像劇ってお互いが寄り添って生きている感が面白いのに、ただ出会って絡んでいるだけで、何も感じなかった。唯一は、演技に目覚める不良と初老かな。
という訳で、演技に目覚める不良を演じたフランツ・ドラメーが良かったです。ツイッターにも書いたけれど、『Attack the Block / アタック・ザ・ブロック (2011)』でジョン・ボーイエガ君と共に戦ってそうな不良だけど、一本筋が通った迷惑じゃない素敵な不良ぽさが良い!と思っていたら、『アタック・ザ・ブロック』にも実際に出てましたよ!やっぱりイギリスの戦う少年・少女系は素晴らしい!と改めて思いました。
日本でも6月初めからDVD販売らしいです。
100 Streets / 消されたスキャンダル (2016) (3点:1550本目)