Heaven Is a Playground / ダンク・ストリート (1991) 1496本目
邦題『ダンク・ストリート』...って良く考えたらどんなストリートだよ!っていうね。バスケットボール映画は、邦題では「ダンク」使われがち。バスケ映画あるある。やっぱり「ダンク」はそれだけインパクトがあるんでしょうね。「レイアップ・ストリート」とかつまらなそうだもんね(いやレイアップも普通に試合では重要よ!2点は2点ですから!!)。という事で、バスケットボール映画です。おー、これ観たい!となったのは、NBA選手ハキーム・オラジュワン、ケンダール・ギル、ボー・キンブルが出ていたからですね。しかもボー・キンブルは割りと重要な役で台詞も沢山ある。キンブルが演じたこの役は、実はNBAの神マイケル・ジョーダンが演じる予定だった!!!
元の原作はスポーツジャーナリストが書いた同タイトルの本。映画の舞台はシカゴの有名な貧しい人々が集まるプロジェクトのカブリーニ・グリーンになっているが、実際はニューヨークのブルックリン。なんで舞台が変わったのかは謎。所謂、ピックアップバスケットボールを描いている。ストリート・バスケットボールとも言われる、公園や広場にあるバスケットボール・コートに集まった人の数でスリー・オン・スリーとかやる訳です。ハーレムの公園ラッカー・パークでのトーナメントは、ドクターJやら超有名というかレジェンドレベルの人々が出た事でも、伝説的なトーナメントですね。今でもNBA選手が集まりますからね。というピックアップバスケを映画で描いた先駆け的な映画。この後には『White Men Can't Jump / ハード・プレイ (1992)』とか『Above the Rim / ビート・オブ・ダンク (1994)』(出た!ダンク!)とかありましたよね。
物語は、貧しい家庭が集まるカブリーニ・グリーンのバスケットボールコートで、献身的にコーチをしているバイロン(マイケル・ウォーレン)という男性がいた。バイロンがそのコートで育てたトゥルース(ヴィクター・ラブ)が今では大学で活躍し、プロ契約も目前という事がバイロンの誇りであり希望だった。バイロンはそうやってこのカブリーニから希望となる若者を生み、1人でも多くの子供たちをより良い生活を目指してそこから出て行かせるのが役目だと感じていた。そんな所にやってきたのが、白人の若者ザック(D.B.スウィーニー)。空気を読めず、俺もバスケに参加させて!と言うも、門前払い。しかし、それでも諦めずにしつこくやってくる。ある時にザックのお陰で助かったバイロンは、渋々「じゃあ、このチームをコーチしろ!」と託されたのが、バイロンのチームからあぶれた落ちこぼれの4人と1人の子供。やる気のないザックだったが、いつもチームに属さずに一人でバスケをしているマシュー(ボー・キンブル)に気づく。マシューのプレーをこっそりと見たザックは自分のチームに入れる事に躍起になるが...
落ちこぼれチームが...というスポ根を挟みつつ、スター選手のプレッシャー、そしてゲトーの現状などを描いているんですが、社会派とも違いますね。けどエンターテイメント性に優れているとも言えず。なんとなく詰め込んで、長いなーとは思ってしまった。あと何ていうか、もう映像が超80年代風と言いましょうか...画面からあふれ出す古臭さに「うわ!」となってしまった程。今から25年前になる1991年の映画って、所謂「ブラックムービー・ルネッサンス」と言われた年で、『ボーイズンザフッド』とか『ニュージャック・シティ』とか『ストレート・アウト・オブ・ブルックリン』とか兎に角凄い年だった。他のは全然古臭さとか感じないけれど、この映画は兎に角古臭い。当時の良さよりも古臭さがこの映画からは感じてしまうのだ。バイロンが、今や伝説になっているあのデッカイ携帯電話を持っていて、笑ってしまった。
ちなみに、この映画でトゥルースを演じたヴィクター・ラブは次の年にもバスケットボール選手役を『Final Shot: The Hank Gathers Story / 涙のダンクシュート/ハンク・ギャザース物語 (1992) (TV)』で演じている。ラブが演じたハンク・ギャザースは、大学バスケ中のコートで亡くなった悲劇の選手。そのチームメイトで親友が、この映画でトゥルースとライバル関係だったマシューを演じたボー・キンブル!という事で繋がる訳です。
(2.75点/5点満点中)
Heaven Is a Playground / ダンク・ストリート (1991)