人気があり過ぎでご本人登場〜〜〜パターンの映画です。人気が当時あり過ぎたのが、ジョー・ルイス。そうだね、褐色の爆撃機と言われた伝説のボクサーだね。ルイスとマックス・シュメリングの2回目の1938年戦い(1回目はルイスが負けている)は、アメリカvsドイツの擬似戦争としてアメリカ中が沸いた。39年から第2次世界大戦が始まるので、その前哨戦でもあったのだ。という当時の様子は色んな映画でも垣間見られるよね。この試合じゃないけれど、『Malcolm X / マルコムX (1992)』では、マルコムがラジオでジョー・ルイスの試合を聞いているよね。大体そんな感じで凄い人たちがラジオでジョー・ルイスの試合聴いているという感じで映画では描写されている事が多いのが、ジョー・ルイスの人気伝説。
そんなジョー・ルイスの半自伝的な映画に本人が登場して演じてしまっているのです。同じ状況はモハメド・アリの『The Greatest / アリ/ザ・グレーテスト (1977)』やジャッキー・ロビンソンの『The Jackie Robinson Story / ジャッキー・ロビンソン物語 (1950)』、そしてコメディアンのリチャード・プライヤーの『Jo Jo Dancer, Your Life Is Calling / ジョ・ジョ・ダンサー (1986)』等で起きた。まあ4人共に誰もが知る名前。スポーツ選手がそのパターンが多いみたい。今でもありますものね。でも今は自伝映画は中々ない。マイケル・ジョーダンの『Space Jam / スペース・ジャム (1996)』は本人役だけど、違うパターンだし。昔は、偉大な事を成し遂げた人々の歴史を知りたかったんでしょうね。今は別にそうじゃないみたい。
とは言え、この作品はジョー・ルイスの半生を正確に描いた作品!という訳じゃない。軽〜〜く取り上げている。アラバマで生まれ育ち、ミシガンに移動したというのは事実。だけどこの映画で描かれたように、父が事故で車椅子生活になり、一人でミシガンに移動というのは違う。でもミシガンでボクシングに目覚めたのは本当。
この映画ではジョー・ルイス以外も黒人のオールスターが勢ぞろい。クラレンス・ミューズは、今で言うと誰だろう??この30年代当時から自分の作品で黒人の描かれ方をコントロールしていた凄い俳優。今だと誰だ?今だと浮かばないけれど、公民権運動時のハリー・ベラフォンテとかオシー・デイビス等が浮かぶね。それに喜劇俳優として活躍していたマンタン・モアランド。そして女優のエドナ・メエ・ハリス。この顔ぶれは今で例えるならウィル・スミスとエディ・マーフィとハリ・ベリーちゃんが勢ぞろいしたと言っても過言じゃないのよ。プラスしてマイケル・ジョーダンが共演しちゃっているんだから!!凄いんだから!まあ、もしマイケルが映画作るって言ったら、ウィルもエディもハリも参加するかもね?という位、ジョー・ルイスは凄かった!という状況がよーく分かる映画でした。
それにしても、この映画でもクラレンス・ミューズが凄い!ミューズは物語のスーパーバイザーを務めた。この時代、それがどんなに難しい事だったか... ジョー・ルイスにクラレンス・ミューズ、本当に凄いぞ!!!
(3.75点/5点満点中:8/10/15:DVDにて鑑賞)