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Thelonious Monk: Straight, No Chaser / セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー (1988) 1396本目

セロニアス・スフィア・モンク。セロニアスというとても珍しい名前もカッコイイし、モンクは修道僧でなんかモンクをより魅力的にしている。さらにはミドルネームがスフィア。もう名前からして最高にクールでカッコイイ。こんなカッコイイ名前は見たことないレベルだ。有名人になるしかない名前。名前負けしなかったセロニアス・スフィア・モンク。名前以上にそのピアノ演奏が天才的なのだ。ジャズ・ジャイアントの1人として名を残したセロニアス・モンクのドキュメンタリー。

このドキュメンタリーではツアーを追ったり、レコーディングを追ったりしている。その映像は、ドイツ(当時は西ドイツ)のTV局が半年かけてアトランタやヨーロッパツアーを追ったときの映像である。舞台裏のモンクが見れる。パトロンであるニカ・ドゥ・コーニグズウォーター(パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター)にペンを貰って試し書きするシーン、そのニカの「猫屋敷」で猫を抱きながら外を眺めるモンク。そして若い時からずっとモンクを支えてきたネリー夫人。モンクよりも数倍小さいからだをフル活用して、モンクの身支度したり、飛行機のチェックインしたりと甲斐甲斐しくて可愛い。モンクに「今幾ら持ってるの?」とお金の事を聞かれた時はイラっとしていて、お金を管理している妻なら分かるわー!ってなった。天才な夫を支える妻。普通じゃない夫婦だけど、やっぱりどこか普通な夫婦な場面もあるのだ。

そして息子T.S.モンクがプライベート&父としてのモンクを語り、モンクの右腕と言ってもいいであろうチャーリー・ラウズがミュージシャンとしてのモンクを語る。この上ない布陣。このドキュメンタリーの一番の見せ場は、テオ・マセロとのレコーディングでのやりとりであろう。マセロはマイルス・デイビスも手がけた凄腕プロデューサー。マセロはレコーディング室に入ってきた瞬間から、挨拶が独特で人々を巻き込んでいる。モンクにはリハーサルなど必要ないのだ。一回の演奏に全身全霊で全てを掛ける。バンド仲間もそれは承知なのだ。なのにマセロは録音していない。激怒するモンク。この映像は音楽の歴史となった。

ニーナ・シモンの『What Happened, Miss Simone? / ニーナ・シモン 〜魂の歌 (2015)』でも思いましたが、天才は天才にしか分からない苦悩があるのだと感じました。あの状況で一線で作曲し演奏し続けるプレッシャーって、私たちの想像以上だと...

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(4.5点/5点満点中:7/30/15:DVDにて鑑賞)