Murder in Harlem / 日本未公開 (1935)
Cast >> Clarence Brooks (Henry Glory), Dorothy Van Engle (Claudia Vance), Andrew Bishop (Anthony Brisbane), Alec Lovejoy (Lem Hawkins), Alice B. Russell (Mrs. Vance), Oscar Micheaux (Second Detective) ...
Director >> Oscar Micheaux
Writer >> Oscar Micheaux (novel), Oscar Micheaux
Producer >> Oscar Micheaux, Alice B. Russell
Genre >> Drama
Country >> USA
総合ポイント 4.5点/5点満点中
内容 >> 4 演技 >> 4 演出 >> 5 音楽 >> 5
"White folks gonna lynch me sure when they finds out about this!"
ナショナル科学研究所の地下室で女性が死んでいた。夜警員アーサー・ヴァンス(ロレンゾ・マッククレイン)がその死体を見つけ、警察に連絡。死体の近くには「背の高い黒人にこのようにされた」というメモが残っていた。警察はアリバイのないアーサーを逮捕してしまう。そしてその事件から遡ること3年前。弁護士を目指し自分の本を売り歩いていたのがヘンリー・グローリー(クラレンス・ブルックス)。本好きな若い女性クラウディア(ドロシー・ヴァン・イングル)の家にたどり着き本を売った。話しをしていくうちに惹かれあう2人だったが、ふとした間違いから2人は離れ離れになった。そして3年後、ヘンリーは弁護士になっていた。そこに訪れたのがクラウディアだった。クラウディアの兄が容疑者アーサー・ヴァンスであった。ヘンリーは弁護する事になるが...
ブラックムービーのパイオニアであるオスカー・ミショーの作品。しかも自分が1921年に制作したサイレント映画を自らリメイク。1913年に起きたレオ・フランク事件を元にしたミステリー・ドラマ。巨匠D・W・グリフィスが制作し映画史のうえでも欠かせる事が出来ない「国民の創生」。しかしその映画は白人至上主義者をヒーローとして称える映画でもあった。そんな「国民の創生」へのアンサー映画として「Within Our Gate (1920)」を作ったのがミショー。しかも自主制作。まったくもってスパイク・リーの元祖な男なのである。そのミショーが探るレオ・フランク事件。他で見るこの事件についての記事や文献とは違うのだ。第一発見者で容疑者にまでなった黒人の容疑を晴らしていくのが、このドラマなのだ。しかも恋愛ドラマの要素を加え、しかも主人公に自分(ミショー)の姿まで反映している。黒人が弁護士という仕事に就くのにどんなに大変か分かるし、そしてホーキンスという黒人の男が、白人の男に脅されてしまう状況も掴みやすい。ホーキンスは言う「そんな事したら白人達が許しませんよ。リンチは決定ですよ!」と怯える。黒人だからそんな筋書きは出来ないと本当の事件で言われたが、実際には黒人だからリンチされる事を分かっていたから出来なかったのだ。
オスカー・ミショーというカッコいい映画人列伝がここにフィルムとして残っているのだ。当時こんな映画を撮れるのは、彼だけだった。なんて男だ!
(Reviewed >> 3/24/14:DVDにて鑑賞)