お爺さん達の「ハングオーバー」!という、ふれ込み。タイトルもそんなお爺さん達の最後のラスベガスという分かりやすさ。感想にも書いたけど、最近のハリウッドは本当にお爺さん&お婆さんを主人公にした、老人ビジネスが流行中である。「ネブラスカ」のような硬派でオスカーにノミネートされるような佳作から、「Red」シリーズみたいな老体に鞭打ってハイパーアクション見せる作品から、ジョニー・ノックスビルが特殊メークでトンデモナイお爺さんになる「クソジジイのアメリカ横断チン道中」まである。ならば、お爺さん達の「ハングオーバー」だってあっていいじゃんか!という訳で、バイアグラネタ満載のコメディです。
ビリー(マイケル・ダグラス)は成功し、マリブの高級住宅街で自分の年の半分ほどの若い女性と暮らしていた。友人の葬式に出た際に、ふと思い立ってその女性と結婚する事にした。故郷では「フラットブッシュ・フォー」と呼ばれていた、58年来の友人にも結婚式を行うラスベガスに来てもらい、バチェラーパーティをしよう!と、他の3人を呼び寄せる事にした。フロリダで妻と共に生活しているサム(ケビン・クライン)、そして空軍を引退し息子(マイケル・イーリー)に子供扱いされているアーチャー(モーガン・フリーマン)は、すぐに納得して来てくれる事になったが、パディ(ロバート・デ・ニーロ)だけは中々「Yes」とは言わなかった。パディは最愛の妻ソフィーを失い、いまだ立ち直れていなかったのだった。サムとアーチャーの策略で何とかパディをラスベガスまで連れてきたが、ビリーとパディはいきなり衝突。しかもずっと喧嘩していたのだった。そして彼等は偶然にホテルのバーで出会ったクラブシンガーのダイアン(メアリー・スティーンバージェン)と意気投合し、ダイアンを巻き込んで彼等の最後のラスベガスのパーティが始まったのだった...
と、痛々しさが感じられるプロットだけど、意外と最後まで見れちゃう。何しろロバート・デ・ニーロがやっぱり良い!ずっと不機嫌ないつものデ・ニーロから、最後はニコって最高の笑顔見せている。いい年して悩んでいる姿も哀愁があっていい。この人あっての映画ですな。他の3人も名優だけど、やっぱりデ・ニーロが際立つ。よくよく考えると、デ・ニーロが演じたパディっていう男は可哀想な男。だけどいい奴。何ていうか、私が昔ーーーーーに読んでいた少女マンガに出てくる、カッコいいし性格もいいし、主人公の愛嬌だけでしかもドジっ娘を優しく見つめ、そしてその娘に好意まで持っているけど、なぜか主人公は別の目立つ男を好きでそっちと結ばれてしまう、報われない男...なのが、この映画のパディ。意外とこの映画の主軸は、少女マンガ的なのです。ビリーの男ぷりも、少女マンガ的。サムの寸止めも、マンガ的よね。お爺さん&お婆さん世代は「純愛」だから、ぴったし。その割にはLMFAOのレッドフーがビキニコンテストの司会しているシーンとかある。お婆さんには眉唾でも、お爺さんには楽しみなシーンでしょ?
モーガン・フリーマンの米空軍・ラブに笑った。ずっと「空軍 引退」の帽子被ってるの。実際のモーガンも米空軍に所属していた。所属していたのは4年間だけで、レートはE-4。レーダーの修理とかしていたらしい。まあそっちの方の才能があったら、名優モーガン・フリーマンは誕生していないからね。でもモーガンは、後にパイロットの資格を68歳にて取得!スーパー爺さん!
アメリカの映画館も、お爺さんとお婆さんが多い。私が映画館にいくと、大体7割が老人夫婦。ここは田舎だから余計にかもだけど、アメリカなんて広大だから、大都市よりも確実にそうじゃない都市の方が多い訳だし、お爺さんとお婆さんが主人公の映画はこれから増えそう。まあそういう人たちがこういう映画に行くのか?という疑問はあるけれど、増えているという事はそういう事でしょう。うちの母も今は映画に夢中。この世代、無料ダウンロードとか出来ないけれど、お金はあるので、ちゃんと映画にお金落としていくんだよね。増えるのはそういう事ですよ!!
(3.25点/5点満点中:2/7/14:DVDにて鑑賞)