SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

10 Items or Less / 日本未公開 (2006)

Cast >> Morgan Freeman (Him), Paz Vega (Scarlet), Jonah Hill (The Kid), Alexandra Berardi (Mop Lady), Bobby Cannavale (Bobby) ....
Director >> Brad Silberling
Writer >> Brad Silberling
Producer >> Morgan Freeman, Brad Silberling, Lori McCreary ....

総合ポイント >> 4.25/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 4 Music >> 4

モーガン・フリーマンかもしれないという愉しみ
ベテラン俳優の彼(モーガン・フリーマン)は、4年も映画から離れていて、今回の若手監督の作品に参加するか決めかねていたが、とりあえず撮影場所となるスーパーマーケットの下見に足を運んだ。店の中を見ていると、自分の作品のビデオがセールで安く並んでいるのを見つけ、誰も見えないように後に並べようとすると、キャッシャー(パズ・ベガ)が何か注意をしているのが聞こえ、自分かと驚き見に行くと、そのキャッシャーのスカーレットの姿に釘付けになり、奇妙な関係が始まろうとしていた...

この映画では、上手い具合にモーガン・フリーマン演じる俳優の名前は出てこない。「彼」という役名でモーガン・フリーマンは出演している。もしかしたら「モーガン・フリーマンなのかもしれない」という雰囲気はある。けれど、フリーマンが4年も映画から離れる事はないだろうし、あったとしてもこの「彼」とは違う理由だと思う。しかも、モーガン・フリーマンがあのような言葉遣いかというのは知らないけれど、そうで無いと願う。それでも、ターゲットという量販店ではしゃぐ姿や、可愛いキャッシャーに引かれていく姿、カーウォッシュでの天真爛漫な天性のカリスマ性などは、ひょっとしたらこれは「モーガン・フリーマン」の姿なのかも?と思わせてくれる愉しみがある。
また台詞も「ユダヤの祝日か!」や、タイトルの「10 items or less(10個以下)」にひっかけた遊びの中での「セックス」や、あるキャメオ出演者を見た時の「ビックD!」等は映画業界の裏的で面白く、結構笑える台詞も多かった。
結末は悲しいけれど、それが現実。ミーハーな私にはかなり寂しさを感じる。やっぱり朝ごはんも無しかと... スターと一般人の微妙なバランスかな。

いぶし銀の演技と言われる「モーガン・フリーマン」の本当の姿を見たような... それでいて、やっぱり「モーガン・フリーマン」を演じているような... 不思議な感覚に陥る辺りが、やっぱりモーガン・フリーマンの凄さを知る事になる映画。

(4/25/07:DVDにて観賞)