The Sunset Limited / 日本未公開 (2011) (TV) 979本目
元々舞台劇をサミュエル・L・ジャクソン出演でテレビ映画化。あの宇宙人のトミー・リー・ジョーンズが監督。と言うか、この作品、サミュエル・L・ジャクソンとトミー・リー・ジョーンズしか出てきません。2人芝居。しかもサミュエル演じる男の住む汚いアパートの一室が舞台の密室劇。この作品には役名もない。ジョーンズが「ホワイト」で、ジャクソンが「ブラック」。ホワイトさんは大学の教授、ブラックさんは職業不明だけどユニフォームみたいのを着ていたのでブルーカラー。ブラックさんは、前科あり。そしてルイジアナ出身で、今はニューヨークのゲトー住まい。ホワイトさんは、実は電車に投身自殺しようとした所を、ブラックさんに助けられたのです。ブラックさんは、自分の信じる神の助けを借りて、ホワイトさんを自殺から救おうとしている。でもホワイトさんは、完全なる無神論者。ブラックさんが神の言葉を言っても、すべてそれらを論破しちゃう。2人は平行線をずっとたどっていく。所で、タイトルはアメリカの鉄道会社アムトラックの路線の名前。ニューオリンズからアメリカの南端を国境ギリギリにロサンジェルスまで走っていく路線が、サンセット・リミテッド。2人は、ギリギリな所をずっと平行にたどっていく訳です。
密室劇なので、殆どが2人の会話のみ。見せ所もその2人の演技だけ。しかも難しい話をしているので、ちょっと辛いかも。ブラックさんが刑務所に入っていた時の話は、ちょっと興奮。でもラストは、ハリウッド映画ではない感じが良いですね。ハリウッド映画にありがちな安易に神が全てだと説く作品じゃない。あんなに聖書の話とかしているのに、神プロパガンダにはなっていない。そんな映画に慣れていた私は、最後「おう!」ってなりました。
トミー・リー、さすがにハーバードに進んだだけあって、本当に頭良いんでしょうねー。普段はこんな難しい話してそうな雰囲気。まあこういう難しい作品を選んで映画化しようとする位ですからね、この手の感じが好きなんでしょうねー。そして、このブラックさんを演じられるのも、今の所サミュエルになるんでしょうねー。南部から出てきた、心優しい男。必死に過去の過ちを償おうとする男。面白い!でも難しい過ぎるんだよねー。
(3.5点/5点満点中:3/22/12にDVDにて鑑賞)