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ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Roots: The Next Generations / ROOTS/ルーツ2 (1979) (TV) 890本目

あのセンセーショナルな前作「Roots / ルーツ (1977)」から2年、続編として制作されたのがこちら。こちらはクンタ・キンテの子孫が奴隷から解放されて、チキン・ジョージがテネシーのへニングに土地を買って、家族で移動した所から始まります。こちらの作品はどちらかというと、アメリカの歴史を探っていく面白いドラマ仕立て。前とは違ってそんなにソープオペラしていません。まあそういう所もあるのはあるのですが... へニングに列車が通った所から始まる。という事で、前シリーズではずっと馬車とか馬だったのが、列車が出てきて、車が出てきて、信号が作られり、道路が整備されたり、コンパクトな自家用車が出てきたり...という乗り物の歴史を見ていても面白いです。

ちなみにルーツは作者アレックス・ヘイリーの母方のルーツを探って行ってます。割とというか、かなり恵まれた環境。このシリーズはチキン・ジョージの息子トムの世代から始まる。チキン・ジョージが買った土地にヘイリーのお爺ちゃんになるウィル・パーマーが建てた家は今もへニングに残っていて、立派。トムは蹄鉄工としての才能があり、街でも有名。みんなが彼の所にやってくる。だからこそKKKを見つける事も容易だった。そのトムの娘シンシアと結婚したのが、真面目なウィル・パーマー。彼は最初は肉体労働で裕福ではなかったが、真面目さが認められて街で唯一の木材屋をやる事を白人に認められて成功させる。真面目なウィル・パーマーを演じたのが、何とスタン・ショー。この作品の3年前には、シリオ・H・サンチャゴのB級いやZ級の「TNT Jackson / TNTジャクソン (1975)」に出演し、プレイボーイ誌の元プレイメイトの主役を美味しく頂いていた悪い男を演じていたのです!ラストはプレイメイト北斗の拳ばりの死闘を繰り広げたあの男が...どっちにも転がれるのは素晴らしい。この映画では真面目にしか見えなかったし、TNTジャクソンでは悪い男にしか見えなかった!そして70年代後半から80年代にはアイドルばりの活躍を見せていたアイリーン・キャラがヘイリーのお母さんバーサ役で登場。この頃のアイリーン・キャラは本当に可愛かったね。彼女はキューバプエルトリコ系のヒスパニックなのだけど、黒人として出演する事も多かったですね。唯一彼女の本来である黒人系のヒスパニックとして出ていたのが「Fame / フェーム (1980)」と「Aaron Loves Angela / 日本未公開 (1975)」ですね。この映画では彼女のヒスパニックのルーツが語られている事はなかった。可愛いといえば、デビー・アレンも可愛い。彼女は大きくなったアレックス・ヘイリーと結婚するナン役。

アレックス・ヘイリーの父親サイモンは貧しかった。シェアクロッパーの息子で自分でプルマン・ポーターをして稼ぎながら大学に通っている。どちらかと言うと箱入り娘で世間知らずなアイリーン・キャラが同じ大学に通っていて、サイモンに惚れてしまう。プルマンポーター時代にサイモンの面倒を見る老人がオシー・デイビス演じるダッド・ジョーンズ。オシー・デイビスにピッタリな役。「ルーツ」のテレビシリーズ誕生に一役かったオシー・デイビスとルビー・ディがこちらに出演しているんですよね。サイモンは一生懸命勉強するけど、すぐに意見に流されやすいのも面白かった。最初はブッカー・T・ワシントンに賛同していたけど、W.E.B.・デュボイスが出てくると、そちらの意見に流されて、アメリカ陸軍にまで入隊してしまう!と言うことで乗り物の歴史だけでなくて、アメリカの戦争の歴史にも触れる事になります。サイモンは第一次世界大戦に参戦。フランスで戦う。サイモンと一緒に戦うのが、ブラックスプロイテーションのヒーローだったBernie Casey (バーニー・ケイシー)。やっぱりここでもヒロイック。

印象的といえば、ロジャー・E・モーズリーとブロック・ペーターズですね。ロジャー・E・モーズリーはウィル・パーマーの親友で、冤罪で逮捕されちゃって、結果彼は白人を殺し、そして白人にリンチで殺される。ブロック・ペーターズは、サイモンが大学教授になった時に地元の苦しむ農家を助けようと話しかけた農家がブロック・ペーターズ。しかしオーナーの白人から余計な事するなといわれるが、目覚めたブロック・ペーターズは反乱して白人に殺されてしまう。リンチのシーンはカットされてしまってます。こちらもエピソード5以外は全部白人の監督。ブロック・ペーターズのがそのエピソード5。エピソード5を監督したのが、このシリーズでトムを演じたゲイオーグ・スタンフォード・ブラウン。トム役、中々素晴らしかった。

と、後半はアレックス・ヘイリーの自伝的。コーストガードで仲間のラブレター書きで書く楽しみと才能を知ったというのも面白い。コーストガードで色々と教えて貰った先輩のスコッティを演じたジョン・ハンコックもよかった。でも気になったのが「Super Fly T.N.T. / 日本未公開 (1973)」の脚本を担当しているのだけど、それは全く触れられていない。ヘイリーにとっての黒歴史だったのか??

私は結構好きなんですが、うちの夫はこのシリーズ大嫌いなんです。このシリーズの事話すだけで怒るほど。なので何で嫌いかも多くは語ってくれないのですが、唯一教えてくれたのは見ているのが辛いそう。そういう黒人の人も居るって事です。でもうちの子供は一緒になって毎晩私と見てくれたので好きだと思います。ちなみに黒人映画の歴史家ドナルド・ボーグルはこの続編の事を「よりテレビ向け」と語っている。最初のシリーズは感情的で、続編はもっとアメリカン・ドリームについて語られていると書いている。視聴率も前作ほどセンセーショナルなものではなかったが、批評家からはこの続編の評価は高い。ニュースウィークもニューヨーク・ポストも「前作よりも優れている」と書いているほど。でも最初のシリーズではこれ!っていう思い出すシーンがあるんだけど、このシリーズはあんまりないかなー。

さ、まだ夏休みも若干残っているので「Queen / クイーン (1993)」でも見ますか!!ってうちにあったかな??あった気がするんだけど。

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(5点満点:DVDにて鑑賞)