我らの雄叫び番長ヴィング・レイムスが出演している1978年の「ピラニア」のリメイク作品。アメリカの最近のホラー映画は、やたらと日本のホラー映画に影響されていて、暗いダークなホラー映画が多かった。本格的に人を怖がらせるようなホラー。でもアメリカには昔から、ちょっとエロくて「ディス・イズ・アメリカ!」を思わせる、やたらと底抜けに明るいスプラッター系のホラーがあった。若い男女がエロい事をしていると、襲われてしまうというパターンのあれである... そんな程よいエロさと怖さを求めて、若い男の子は親に内緒で映画館に足を運んだのである。この映画はそんな昔からある古き良き?アメリカに戻ってしまっている作品。
アリゾナの架空の湖では、春ともなると陽気なアメリカの大学生達がお酒を飲み、正に酒池肉林なスプリングブレイクで賑わう。(←ここがもう昔のホラー)それに加えて、そこに目をつけたのが、アダルトビデオ監督の若い男のデレク(なんとスタンド・バイ・ミーのおデブちゃん)。地元の高校生ジェイクは奥手で好きなケリーにも何も言えない、そしてどちらかと言うといじめられっ子。そんな童貞君が、デレクにロケーション担当として雇われてしまう。そんなジェイクのママが地元のシェリフ(なんとベビーシッター・アドベンチャーのエリザベス・シュー)で、シングルマザー。ママからまだ小さい弟と妹のベビーシッターを頼まれるが、もちろん童貞君はほったらかしで、アダルトビデオを優先。当たり前だよね。ママは同僚(ヴィング・レイムス番長)と共に先日湖で起きた事件を捜査。どうやら釣り中に行方不明になった男がいる。その男が「ジョーズ」のリチャード・ドレイファス!ジョーズからは生き残った男が、ピラニアには勝てず...って、どういう事よ!!まあ、80年代(ジョーズは70年代だけど)の物を随分と遊んでいる。80年代といえば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。あのドクが、ここでもマッドサイエンティストとして、あの独特な走りを少し見せてます。80年代映画大好きなんで、あのエリザベス・シューがベビーシッターを息子に頼む所で、笑ってしまいます。君、80年代にちゃんとベビーシッター出来なくて、大変な思いしたくせに!と。スタンド・バイ・ミーのおデブちゃんと、大人の作家を演じていたリチャード・ドレイファスがプチ同窓会ってるし。続編が出来るらしいが、この映画のラストがもうそれ用でしたよね。監督はギルティ・プレジャー(いけないと思いつつも楽しんでしまう)ような映画が作りたかったと言ってた。本当にそんな映画ですね。
(3点/5点満点中:DVDにて鑑賞)