In Too Deep / 日本未公開 (1999) 651本目
「Juice / ジュース (1992)」で本格デビューした時から大好きなオマー・エプスが主演のクライムストーリーです。前にも書いたけど、同じ世代のMehki Phifer派とオマー・エプス派に分かれると思うんですが、私は断然にオマー・エプス派です。彼のTwitterとか読んでいても、普通のフットボールファン(しかもダラス・カーボーイファン)なアメリカのお兄さんって感じですね。でもたまに和尚のいい言葉とか載せてたりするのも、何か好きです。親友のマーロン・ウェイアンズの意味不明な茶化しにもしっかりと答えているのもいい感じ(でもたまにマーロンは末っ子気質でオマーを腹違いの兄弟とか呼んでたりする可愛い男だ)。あー、とにかく好きです。でもこの1999年辺りの作品は私個人的に人生の大事な局面を迎えていた為に見逃していた映画も多く... でもオマーの同じ1999年の「The Wood / ソウル・メイト (1999)」はしっかり見てたりしてるんですけどね。あ、オマー自身もこの頃は大事な局面を迎えてましたね。長年付き合っていたシンガーグループのトータルのキーシャと別れて、「The Wood / ソウル・メイト (1999)」でも共演したサナー・レイサンと付き合い始めたのもこの頃。でもその後にやっぱりキーシャと結婚したんですよね。まあ、とにかく大好きです。
そして私がもう一人好きな男LLクールJが共演。この映画では悪役ゴッドを演じてます。まあーーこれが...似合わない。やっぱりLLは悪役じゃないんですよねー。「Deliver Us From Eva / ソウル・トレード (2003)」みたいに女性と絡む役とか、「Deep Blue Sea / ディープ・ブルー (1999)」みたいないい人じゃないと。主役のオマーと心を通わせるようになる人間的な部分は上手い。でも悪役としての冷酷な部分はゼロでしたねー。もちろん演出でそれを見せようとはしてましたけど、怖い人には見えなかった。もう根がそういう人じゃないのが分かってしまうんですよ。「Blood and Bone / ブラッド&ボーン 真拳闘魂 (2009)」のイーモン・ウォーカーがこの映画の悪役だったら、もっと犯罪の生々しい雰囲気があって面白かったでしょうね。
ちなみにこの映画の題材となった麻薬の侵入操作というのは本当にあった話で、LLが演じた有名な麻薬密売人ゴッドやそこの組織に侵入する刑事ジェフも実在しております。調べた所によると、この映画の舞台はシンシナティでしたが、実際にはマサチューセッツのボストン郊外のロクスベリーが舞台。ボストンと言えば...そう、あのシンガーグループのニュー・エディション。ボビー・ブラウンとか住んでいたプロジェクト近辺で、このゴッドと呼ばれたダリル・ホイットニングは麻薬の密売をしていたそう。実際には1988年頃なんで、もうニュー・エディションはスターとなっていたので、接点もないと思いますが... さらに調べを進めてみると、オマー・エプスが演じた侵入捜査官のジェフは、その後にヘビーな侵入捜査のPTSDで自殺してしまっているようです。
映画はすごくダークな感じでそれこそ90年代に多産された黒人ギャング映画を思わせる雰囲気。でもそれだけじゃなくて、ジェフという人間の輪郭を表現する為に恋人を出してくるのもいい演出。でもタイトル程深い部分を抉ってないようにも見えましたね。あ、あのパム・グリア嬢も銃を片手に出演しているのです!でもそのパム嬢も全然生かされては無かったですわ。
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(3.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)