この前CNNをチラっと見ていたら、ナイジェリアの映画について放送していた。ハリウッド、ボリウッド(インド映画)に続いて、ナイジェリアの『ノリウッド』が今熱いとの事。面白いので調べてみたら、その歴史背景も中々面白い。
1960年代からナイジェリアで映画が作られるようになったが、その制作に掛かるお金が高すぎで監督はフラストレーションを感じたという。同じ頃にナイジェリアでTV放映も始まって、そちらは政府の援助を得る事が出来て、80年代には各地にローカル局も設立。TVが制作側(監督や俳優)の育成に役立った。そして80年代90年代になると、首都ラゴスで犯罪が多発するようになり、映画館などは閉鎖されたが、ビデオの誕生もあり、家で安全にゆっくりと西側やインドから輸入したビデオを見る人の数がゆるやかに増えた。そして1992年に「Living in Bondage」というオカルト映画がビデオ発売されると、大ヒットになった。そしてそのヒットに乗っかる人々も急増。今では、ナイジェリアに映画プロデューサーが300人も居て年間500から1000本の映画を撮っていて、世界第2位の映画生産国になった。制作費も$15,000(約150万円)という破格の安さで10日前後で撮影してしまうという。ジャンルもドラマからコメディ、ロマンス、オカルト、腐敗刑事やエイズ問題など幅広い。そして近隣のアフリカの国々でもナイジェリア映画は人気で、ナイジェリアの映画スター達が各国で人気者になる程との事。
ナイジェリアの監督は「私達は私達のやり方で私達の話しを語っているんだよ」と語っている。そして「ハリウッドよ、気をつけろよ!」と言う人まで。今では250ミリオンドル産業となり、何千人もの雇用を生んでいるとの事。
また海外の監督等が「ノリウッド」に関するドキュメンタリーを続々制作していて、2007年の「This is Nollywood」や同じく2007年の「Welcome to Nollywood」という作品や、2008年のカナダ作品「Nollywood Babylon」などが制作された。
70年代のアメリカの黒人監督に似た気質を感じますね。