評判はいいですよね。でも私は意外とハマリませんでした。南部の60年代の夏が舞台だなんて、私がハマリそうな要素はタップリなんですけどね。やっぱり私好みの映画は予告とかでピンと来る訳で... この映画を劇場に見に行かなかったのは、ブログに「ウィル・スミス家にお金を貢ぎすぎ」と以前に書いたんですが、本当は何かピンと私の映画臭覚に引っかからなかったのもあるのです。監督のジーナ・プリンス=バイスウッドは好きです。「Love & Basketball / ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム (2000)」は魅力的な映画でしたよね。最近のウィル・スミスのプロデュース力も好きです。「Lakeview Terrace / レイクビュー・テラス 危険な隣人 (2008)」とか「ATL / 日本未公開 (2006)」とか意外性があってよかったです。今回は妻のジェイダ・ピンケット=スミスが製作総指揮として参加。それかな(笑)いやいや、ジェイダも好きですよ。大体、私は蜂が苦手でして。もう人生で2回も刺されていてアレルギーなので、次で3ストライクで多分命が危ないのもあって、蜂を避けているのもあるかもしれません。テレビ画面で蜂を見るだけでゾッとします。虫とか嫌いなので、全部居なくなってしまえばいいのにと思うんですが、CMで「虫も住めない地球は人も住めない」という台詞でちょっと自分の考えに反省しましたが、やっぱり私の周りには現れて欲しくないです。特に、蜂。でも本当に蜂が減っていて、農家とかは大変みたいです。難しいね、共存って。
私の大好物の設定である南部の60年代の夏という風景は素晴らしかったですね。その上にティーンエージャーの成長期がプラスされている訳なので、ノスタルジックで美しかったと思う。ジーナ・プリンス=バイスウッドの采配光ってました。でも何か腑に落ちなかったんですよね。感想にも書いたんですが、クイーン・ラティファ演じるミス・オーガストが「どんな小さいものだって愛は必要よ」という台詞があって、それがとっても好きなんですけど、だったらT−レイは??と思ったんです。確かに父親としては失格ですけど、でも父親ですし、人ですし。彼こそ愛が一番必要な人かもしれないとも思ったし。映画の中で、Tレイが救われなかったのが何か引っ掛かります。もうちょっと救われていたら... 同じクイーン・ラティファの映画「The Perfect Holiday / 日本未公開 (2007)」のラストみたいだったら、心温まったかな。あの父親だって、鬼のような父親という訳でもなく、何となく何かのきっかけがあれば生まれ変われるような父親だったと思う。だからこそなんです。鬼のようなどーしようもない父親なら、こんな風には思わなかったと思うし。
この中で好きなのがソフィー・オコネドーが演じたメイと、ジェニファー・ハドソンが演じたロザリンかな。メイは本当に純粋で優しい女性。それ故に強烈に傷つきやすいんでよね。ロザリンは好きというよりも、この映画の中枢になっていたと思う。ボートライト姉妹のように人に常に尽くすようなタイプでもないし、務めていた所の娘だからといってリリィを特に支えようとも思ってなくて、実に中立した女性だったと思う。彼女の中立した立場がこの映画のバランスを保っていたと思う。ボートライト3姉妹だけだったら、どうしてもステレオタイプ的な黒人女性家長な部分しか見えてこなかったと思う。ロザリンが良いバランスとなったと思うので好きなんです。
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(3.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)