Cast >> Marlene Clark (Ganja), Duane Jones (Dr. Hess Green), Bill Gunn (George), Sam Waymon (Reverend Williams), Leonard Jackson (Archie) ...
Director >> Bill Gunn
Writer >> Bill Gunn
Producer >> Chiz Schultz
Genre >> Horror
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
In the name and blood of Jesus
ドクター・ヘス・グリーン(デュアン・ジョーンズ)は考古学と地学の学者だった。ある日、アフリカのアンティークな杭で3回刺された。しかし彼は死なずに生き残り、バンパイアとなっていたのだった。ヘスを刺した男ジョージ(ビル・ガン)の妻ガンジャ(マーレン・クラーク)が夫を探しにやってきた。ヘスの豪勢な暮らしぶりに憧れたが、ヘスの秘密を知り...
ブラックスプロイテーション全盛期に作られたバンパイアのホラー映画。「ブラックスプロイテーション」という物に翻弄された作品でもある。私が見たのは後に再構成された完全版だが、この作品は監督の意思とは反してドライブイン用にズタズタに構成されて世出た作品でもあった。この完全版は素晴らしい。一筋縄ではいかない雰囲気を醸し出し、実際にすぐには理解出来ない部分もある。でも他の作品とは大きく違うオリジナリティと挑戦的な部分、そして前衛的であり芸術的な作品である。メルヴィン・ヴァン・ピープルスの「スイートバック」を思い出されるシネマトグラフィのオシャレさ、クレジットの出し方から、3部構成にしたり、男と女の裸体の美しい撮り方、キリストとバンパイアの関係、黒人の環境や苦悩、中毒性や自殺等のキリストのタブー...の全てがつまっている。それだけに分かりにくく取っ付きにくい作品ではあるかもしれない。
まず取っ付きにくいのが、アフリカの女王と007を思わせる白人の仮面を被ったジェントルマンの両方から手招きをされる。両者は別々に出て来るので分かり難いかもしれないが、私はアメリカ黒人の環境ではないかと感じた。アフリカ回帰的(分離)か、アメリカ社会に馴染む(同化)のかを迫られているように思えた。
またキリストとバンパイアの関係。バンパイアが苦手とされている物の殆どがキリストに関する物である。キリスト教によって生まれただろうバンパイアという怪物が、自分の中毒性を絶ちに教会に行きサルベイション(救済)を感じるのが興味深い所。
何より取っ付きにくいのが、この映画で一度も「バンパイア」という言葉が出てこない不可解さ。しかし、これらの不可解さが余計にバンパイアという存在を感じる事になるだろう。
(7/29/08:DVDにて鑑賞(完全版))