Cast >> Jeanne Crain (Patricia 'Pinky' Johnson), Ethel Barrymore (Miss Em), Ethel Waters (Pinky's Granny), William Lundigan (Dr. Thomas Adams), Basil Ruysdael (Judge Walker), Kenny Washington (Dr. Canady), Nina Mae McKinney (Rozelia), Griff Barnett (Dr. Joe McGill), Frederick O'Neal (Jake Walters) ....
Director >> Elia Kazan
Writer >> Philip Dunne, Dudley Nichols, Cid Ricketts Sumner
Producer >> Darryl F. Zanuck
総合ポイント >> 4/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 4 Direct >> 4 Music >> 4
What tragic means here
ピンキー(J・クレイン)は黒人の血が混ざる黒人女性だったが、一見白人にしか見えなかった。成人し東部の看護学校に通い、そこで白人の医師トムと出会い愛し合うようになる。卒業したピンキーは、おばあちゃん(エセル・ウォーターズ)の居る南部に戻ってきた。すぐに東部のトムの元へ帰るつもりだったが、おばあちゃんがお世話になったミスEM(エセル・バリモア)の病気の世話をするように言われ、嫌々ながらも引き受けたが...
この映画で、何を「悲劇」と見るか... 見る側に大きく委ねられるのではないかと思う。黒人女性でありながら、白人にしか見えずに「白人として生きる(Passing)」を経験してしまったピンキー。そこで、南部に戻り「黒人女性」として、酷い仕打ちを受ける... これは「悲劇」かもしれない。さらには、この映画の主人公ピンキーを演じたのが黒人女優ではなく、白人女優だ。これは、黒人女優にとっては「悲劇」的な事かもしれない。エセル・ウォーターズは強い黒人女性として、そしてエセル・バリモアは芯の強い白人女性として最高の演技を見せている。が、ウォーターズは「白人に従順な宥める役」だ。これも時代とは言え、悲劇的だ。
私が1番悲劇的だと思ったのは、この映画のラスト。結局ピンキーは黒人女性としてのプライドを取り戻して自分自身で立ち上がるのだ。この点は、普通に見ていたら勇気を与えられる素晴らしいシーンになったかもしれない。でも、ピンキーは女としての幸せを捨てているのだ。完全な幸せじゃない。「女性」としての幸せは捨て、「黒人女性」としてのプライドを手にする。なぜピンキーは、女性としてそして黒人女性として幸せになる事が出来なかったのか...これこそが、「悲劇」だと私には思えた。
(5/5/06:DVDにて観賞)