アーサー・ゴールデン原作「さゆり」の映画版に、渡辺謙が出演することが分かった。 出演女優もチャン・ツィイー、コン・リー、ミシェル・ヨーと次々決まるなか、日本人は1人も決定していないため、一部の米国メディアからは疑問の声も挙がっているが、ロブ・マーシャル監督(「シカゴ」)は「スピルバーグと私の2人が、(ツィイー、リー、ヨーら3人の)作品を見て決定した。日本の同世代の女優と比べても、3人は素晴らしい」と説明している。
言った通りじゃない。スピルバーグってば、単細胞。だから「カラーパープル」や「アミスタッド」の時にだって、こてんぱんに言われたのに、分かってないのよ...
「カラーパープル」の時には、賛否両論。NAACPは、この映画で描かれている黒人男性に不満を感じて、討議した。ピューリッツア賞を受賞した、アリス・ウォーカーの同小説の部分のラストの部分(黒人男性と女性の友情の部分)や、その黒人男性がなぜ暴力的だったかという部分、主人公の女性とその女友達との性が、あっさり削られた事が、疑問視され批判された。
作品は、作品賞を含む11部門のオスカーにノミネートされた事から、作品の完成度の高さも伺える(オスカー自体の是非を問う問題もあるが)。
と、まあ、色々と過去にはあった。別にスピルバーグの映画を全て否定している訳じゃない。「ET」とか、「インディ・ジョーンズ」とか最高に面白かったもの。
それに、白人だから黒人をテーマにした映画、今回の場合なら日本をテーマにした映画を上手く取れないなんて思ってない。過去には、様々なテーマで素晴らしい作品を残した白人監督も居る。(マーティン・リットの「サウンダー」とか)
今回、渡辺謙の知名度に騙されている気がする。とりあえず、1人、日本人入れておけばいいか...みたいな。
「日本の同世代の女優と比べても、3人は素晴らしい」なんてハッキリ言われたんじゃ、日本の女優の人々だって、怒っていいのでは?確かに、チャン・ツィイー程の知名度がある日本人女優は、ハリウッドに居ないかもしれない。けれど、彼女程の才能のある日本人女優だって居る。日本人だから、日本をテーマにした日本人を上手く演じられる訳でもないかもしれない。けれど、ロブ・マーシャルの発言には、配慮が無さ過ぎる。
もっと日本も怒るべきでは?