Roots / ROOTS/ルーツ (2016) (TV) 1482本目
アメリカTV界の歴史に燦々と輝く金字塔TVミニシリーズ『Roots / ルーツ (1977) (TV)』(以降オリジナル)のリメイク版。その後の黒人映画の全てに影響を及ぼしたと書いてしまっても過言ではない程の現象を生み出したのがオリジナルだ。そのオリジナルを超える事が出来るのか?多分無理であろう。あの現象を超える事はもう2度と無理なのだ。今現在、メディアが多様化して以前のような視聴率を取る事が出来ないので、あの現象を生む土壌がテレビには無い。しかし、出来具合に関してはオリジナルを超える事は可能かもしれない。なぜなら技術は進歩しているのだから。それを楽しみに観た。やはり確実に技術は進歩している。あの『ルーツ』がこんなにも美しい映像で蘇るとは思ってもいなかった。夜のシーンは特に美しく、技術の進歩を感じずにはいられない。そして研究も進んでいる訳だから、衣装などが様変わりしているのも面白い。アフリカというとイメージする裸だけではないのだ。青が鮮やかな衣装に心が躍る。割と目をそむけたくなるような過激なシーンが増えたのも、今だから出来た事であろう。観客もそのようなシーンに慣れたのでオブラートに包む必要などないのだ。そしてオリジナルにも原作にもない物語を上手く取り込んで、オリジナルを観た人でも楽しめるのが良い。そしてオリジナルでの最高のシーンをもちろん残している。そのバランスが最高であった。バランスの点で書けば、新人俳優とベテラン俳優のバランスも良かった。情熱的なクンタ・キンテには新人、難しいフィドラー役にはオスカー俳優のフォレスト・ウィッテカー。またこの作品で多くの俳優が羽ばたいていく事を確信した。オリジナルの時のように。そして進んでいると言えば、オリジナルの6エピソード中、黒人監督はたったの1人であったが、今回は4回のうちの2回が黒人監督で、しかも黒人脚本家が書いているのが、進歩した。人々は確実に進歩している。そう確信した。(4.75点)
Roots / ROOTS/ルーツ (2016)