元々はエミネムが主演するはずだった映画。だけどなぜか降板して、曲のみを提供。ジェイク・ジレンホールが結局主役。の...ボクシング映画。監督は『Training Day / トレーニング デイ (2001)』でデンゼル・ワシントンにオスカー主演男優賞を取らせたアントワン・ファクア。まーとにかく正統派な渋い映画を撮り続ける監督。斬新さとか真新しさとかは無いけど、とにかく正統派。『Brooklyn's Finest / クロッシング (2009)』とか好きだわー。
ビリー(ジェイク・ジレンホール)はあのマジソンスクエアガーデンで試合出来るほど有名なボクサーだ。今回の試合もいつものようにボロボロになりながらも白熱した熱いファイトで勝った。しかし今回は目を負傷してしまう。妻のモーリン(レイチェル・マクアダムス)はそろそろ引退をして欲しいと考えている。娘レイラも居る事だし。ビリーは自分や妻が育った養護施設のチャリティイベントに妻と出席。帰り際に、新進ボクサーのエスカバーが次は俺と戦えといちゃもんをつけてくる。前々からチャレンジされていたが、モーリンの引退への助言もあったので無視していた。しかしエスカバーの側近が手を出してきて乱闘になってしまう。そこで信じられない事件が起こり...
ってネタバレするとすぐに怒られるので、これ以上は書けません。まあ大体は想像通りですね。ボクシング映画=『ロッキー』ですよね。その『ロッキー』からの伝統を守った、やっぱりファクア監督らしい正統派の渋いボクシング映画。主人公は、とんでもない位に人生最悪な時を過ごす事になります。これでもか!って位の不幸の連鎖。気分が落ち込んでいる時に見ると、更に落ち込むでしょう...って位に不幸続き。しかも主人公暗い。見ているのも辛い。
って所に現れるのがオッソロシイ強面のフォレスト・ウィッテカー師匠。益々暗くなるぜ!と思ってしまいます。が、しかし... 映画でいう所の所謂マジック・二グロ的な役で主人公を支える。マジック・二グロとは、不幸な白人主人公を黒人の機知や才能で助ける的な役柄の人の事。しかし、このウィッテカー師匠が演じた役に色々と事情もある訳で...やっぱり心は沈みがち。でも熱演。いつものように。あの強面で涙を誘う。
それにしてもジェイク・ジレンホールは劇中95%の確率でどこかしら顔に怪我を負っており、原型をとどめていない。熱演。こういう破滅型上手いね。
とにかく暗い映画。とにかく気持ちが沈む危険な映画。あ、ハリウッド映画だから、最後はアレなんだけれど。『ロッキー』と同じ型なのに、ロッキーの時みたいな「私もやったるでー!!」ってな高揚感はまるで無い。結構なメロドラマでもあります。ジェイクファンにはおススメ〜!素晴らしいよ、ジェイクは!あ、50セントも出ているけど...ま、ノーコメントで。
(3.75点/5点満点中:10/23/15:VODにて鑑賞)