なぜだろう?評判は良くなかった。しかし私は好きだ!フォレスト・ウィッテカーが「変な人」を演じているってだけで、ワクワクする!黒人のくせに普段は全くブラックムービーを見ないうちの夫も「フォレスト・ウィッテカーが変な人やっているいう映画あるでしょ?あれ観たいんだよね」と話していたほど。フォレスト・ウィッテカーの「変な人」はなんだか人をワクワクさせるのだ!
というのもあるし、何といってもアンソニー・マッキーが出ているからねー。観ない訳にはいかないのだ!!しかもアンソニー・マッキーの地元ニュー・オリンズが舞台!観ない訳にはいかないのだ(2回目)!
という訳で、ニュー・オリンズ。2人の男が随分と陽気に車を運転していた。車内にはガンガンとラップが響いている。おどけてハンドルから手を離す。トミー(アンソニー・マッキー)とベン(マイク・エプス)で、2人は兄弟のようだ。大笑いする2人。そんな時に何かにぶつかって、車は車道から逸れて事故った。ベンはすぐに意識があって、トミーの名前を呼び「逃げるぞ」と叫んだ。しかしトミーの返答はなかった。それから4年。トミーは本のサイン会に居た。トミーの書いた本のサイン会だったのだ。そこにやってきた男。トミーは彼が持ってきた本を見て、随分と自分の本を読んでくれているのが分かる程だった。男はトミーの本から引用する。「暗闇を呪う事よりもキャンドルを灯した方がいい」と。男はどうしてこの引用を本に付け加えたのか聞いてきた。そして男は、自分はエンジェル・サンチェス(フォレスト・ウィッテカー)という名前で、もし良かったら1対1でセッションして欲しいと頼む。トミーはカウンセラーで、自分の臨死体験を本にしていたのだった。1対1のセッションはもうやってないと答えたが、エンジェルは名刺を置いていった。そして突然ベンが帰ってくる。何も言わなかったが、どうやら人からお金を借りていて、12000ドルも借金していたのだ。トミーはベンの借金を返す為に、エンジェルとの1対1のセッションを受け入れる事にするが...
と...大体、ご想像はついちゃいますよね?大体、そのご想像通りに話は進んでいきます。が!!!面白いんです。フォレスト・ウィッテカーの「変な人」が最高です!!あの人は本当にああいう怪しい役をやらせると天下一品!!とことん怪しい!それに怖い。「あの人絶対におかしいよー」って言葉がぴったりなんです、フォレストは!!今日の写真見てよ!完全に危ないでしょ!!目が笑ってないとか、目が死んでいるとか...色々言われておりますが、実際のフォレストに会ってみると、実に地に足が着いた落ち着いた大人なんです。オスカーを獲得したあの『The Last King of Scotland / ラストキング・オブ・スコットランド (2006)』を地で行っていて、もっとギラギラしているかと思ったら大間違い!優しそうとまでは言いませんが、大人だー!と思わせてくれました。どちらかと言うと『Ghost Dog: The Way of the Samurai / ゴースト・ドッグ (1999)』の方が地に近いのかも??職人俳優。でも映画の中じゃ、こんな変な人が合うからね。びっくりです。さすがです!しかも娘には優しいパパだから余計に怖いー!!
で、アンソニー・マッキーね。最高よー。やっぱりニュー・オリンズ育ちなのねー。ああいう怪しげなバイユー的な土着な雰囲気がより一層アンソニー・マッキーに色気を出させているのですよ。彼はぜーーーーーったいにバンパイア映画やるべき!!もちろんニュー・オリンズが舞台で!スパイク・リーがリメイクしちゃったけど、『Ganja & Hess / 日本未公開 (1973)』のリメイクはアンソニー・マッキーでやるべきだったね。じゃないのが非常に残念なほど!
そしてマイク・エプスね。コメディアンだけど、『Sparkle / スパークル (2012)』で根性見せてから、私の中では急上昇中。この映画でもシリアスな演技が良かったですわね。滑舌が良くて早口。悪い言葉も彼だとなぜか聞けちゃう。この良い人なんだか悪い人なんだか、観客を翻弄させる役にはぴったり。
タイトルは後悔とか良心の呵責とか。でもそんなのかんけなーい!と、「変な人」フォレスト・ウィッテカーが色気のアンソニー・マッキーをギッタギタに虐めておりますの。もうそれだけで面白いの!
(4.5点/5点満点中:6/28/14:DVDにて鑑賞)