Black Nativity / 日本未公開 (2013) 1236本目
ハーレムルネッサンスを牽引した詩人ラングストン・ヒューズの戯曲を初の映画化。って書くと堅苦しいですかね?ジェニファー・ハドソンやメアリー・J・ブライジやNasにタイリースなどの人気ミュージシャンが歌っているミュージカル映画。彼等の存在や歌が映画を分かりやすく、そして取っ付きやすくしている。しかも名俳優のフォレスト・ウィッテカーとアンジェラ・バセットも歌声を披露している豪華さ!わお!この2人が歌えるとは思ってもいなかったのでびっくり。ミュージカル映画なのは観る前から知っていたけれど、この2人は絶対に歌わないと思っていましたからー!
という訳で、原作の戯曲を書いたラングストン・ヒューズから名づけられたラングストン(ジェイコブ・ラティモア)はボルチモアで母ナイマ(ジェニファー・ハドソン)と暮らしていた。しかし、クリスマスまでの5000ドル払わないと家を立ち退かなければならなかった。すぐにお金が用意出来ないナイマは、息子だけでもと実家のあるニューヨークのハーレムに送り出す。しかしナイマと両親(フォレスト・ウィッテカー&アンジェラ・バセット)にはある理由で確執があって、ラングストンも祖父母には会ったこともなかった。着いて早々にカバンをスラれ、電話を借りようとしたホテルでたまたま財布がフロントにあり、それを持ち主に返そうとした所で捕まってしまうラングストン。留置所で男(タイリース)に出会い何かと茶々を入れられる。祖父母に何とか出会うが、祖父は牧師で非常に厳しかった。早くも家が恋しくなるラングストン。しかし帰るバス代もない。祖父が大事にしていたマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師からの贈り物の時計を質屋に入れようとするが...
ラングストン・ヒューズの戯曲が原作なのだけど、その元となった「Nativity」とはキリスト誕生の事。この映画の中では、クリスマスの日にフォレスト・ウィッテカー演じる牧師の教会でこの「ブラック・キリスト生誕劇」が行われる。そしてこの映画にホームレスの若いカップル(グレース・ギブソン&ルーク・ジェームス)が出てくる。普段はジョジョとメアリーで、キリスト生誕劇の時にはジョセフとマリアとなって出現する。って、やっぱり取っ付きにくいですか?クリスチャンじゃない日本人にはその辺が分かりにくいよね。でもそれを現代に取り入れて分かりやすくしようとは努力されております。クリスチャンじゃなくてもゴスペルは好きな人も多かったりするので、そっちの方を楽しもうとするのも手かもしれません。しかもラファエル・サディークが音楽担当していたりして、ゴスペルだけじゃなくスティービー・ワンダーの「As」とかも使われていたりしますので!という事でミュージカルなのですが、ラップにR&Bにゴスペルと様々。でも演出が「The Wiz / ウィズ (1978)」ぽいなーと思いました。上からのショットが多かったりね。
ちなみに監督は「Eve's Bayou / プレイヤー/死の祈り (1997)」や「Talk to Me / 日本未公開 (2007)」のカシー・レモンズ!好きなんです。挙げたこの2作は特に良いし!彼女ならラングストン・ヒューズや難しいキリスト生誕劇を上手いこと雰囲気を出してくれると思ったんですがね。今風にラップとか出てきて頑張ってはいるけど、普通でしたねー。正直、NASの役居るか?と思うほどに絡みが無理やり過ぎるし!感想ではジェニファー・ハドソンだけを褒めてしまいましたが、タイリースも良かった。もうちょっとタイリースも聞きたい位だった。やっぱり上手いんだねって思ったし。後は、主役のジェイコブ・ラティモアも良かったけれど、ルーク・ジェームスでしょ!正直、ラジオとかテレビで見たルーク・ジェームスには何も感じなかったけれど、この映画での彼は素晴らしい。ビヨたん(ビヨンセ)がツアーのオープニングアクトに抜擢したんだよね。ビヨたんが惚れたのも分かる!魅力的な声だった。という訳で、あえてアンジェラ・バセットとフォレスト・ウィッテカーの歌声には触れません!観て聞いて欲しいからー。アンジェラの祖母ぶりは可愛い!らしいわ!
前にロック好きの知人が「黒人音楽って、なんか最後にみんながわーーー!!ってなるよね」っていう名言?迷言??をはいたのですが、これ観てそうかも?と思った。右上の小さな写真が証拠。
(3.5点/5点満点中:5/16/14:DVDにて鑑賞)