これをアメリカで上映し始めた頃、行きたかったけど、多忙だったのもあって行けなかった。DVDで我慢するかーと思ってたんだけど、この年末になんとまた最後劇場で公開し始めた!ラッキーなので早速行ってきたよ。中々の評判なのと、マイケル・ペーニャが気になってね。マイケル・ペーニャって、「Crash / クラッシュ (2005)」以降、何か私の涙腺を破壊する男なのよね。この人がドラマ作品に出ていると、どうも確実に泣かされてしまう。私泣かせの男なのよ。この男がさ、またぁ...。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 ウワァーン!!
ロサンジェルス市警(以下LAPD)のブライアンとマイクが主役。ブライアンがジェイク・ジレンホール、マイクをマイケル・ペーニャが演じている。ブライアンは独身で、マイクは既婚者で奥さん妊娠中。2人はペアでロサンジェルス市内をパトロール。ブライアンは「映画プロジェクト」で、パトロール中でもずっとカメラを回している。そのブライアンが回しているカメラが、我々観客が見ている映像。「Chronicle / クロニクル (2012)」なんかと同じだね。ちなみに監督は「Training Day / トレーニング デイ (2001) 」の脚本家だったデイヴィッド・エアー。前作の「Street Kings / フェイク シティ ある男のルール (2008)」はイマイチだったね。ロサンジェルスのサウスセントラルを描くのが好きだよね。この映画ではサウスセントラルだけじゃなくて、ロサンジェルス全般。そして警官の腐敗は描かれていない。今回初めて、LAPDがヒーローになってる。
アクションばかりじゃなくて、パトロール中の車の中での会話も多いのが特徴的。メキシカンのマイクが、ブライアンにメキシカンの女性を勧めているのとか面白い。マイクは自分の従姉妹とか知り合いを紹介しようとしている。ブライアンを自分の家族の一員にしたかったんじゃないかなって思う。でもブライアンは白人の彼女を見つけて、付き合うようになる。その辺の心境とか、かなり淡々を描かれているのがリアリティあるんだよね。そういうちょっとした会話等や行動が、彼等を固く結びつけていく。とかく警官となると、お互い命を掛けて仕事しているので、その結びつきやお互いの信頼は想像以上だと思う。運命共同体。それが何気ない一日の一こまにあったりする。その2人の男の友情の育み方がとっても心温まる。しかしこの映画ではそれとは間逆の残虐な事件も多い。ラストは残虐な事件の後に、とある1日に映像が戻るんだけど、そのシーンはこの映画を象徴している「何気ない会話」なんだけど、それはマイクがとっても個人的な家族の事を面白おかしくブライアンに話しているのだ。ブライアンはマイクが望むように、真の家族にはなってはくれなかったけど、マイクがブライアンも家族の一人だと思ったからこその会話だったんだよね。それを受けてのブライアンのラストでの一言。たった一言なんだよね。でもジーンと伝わるこの映画の象徴的な言葉。
で、マイケル・ペーニャがまた私の涙腺破壊するよねー。涙腺破壊王。淡々としたジェイク・ジレンホールと熱いマイケル・ペーニャも、見事だったね。
ちなみに「トレーニング デイ」にも出ていた元ブラッズのクレ・スローアンも出演。ブラッズのドキュメンタリー映画「Bastards of the Party / 日本未公開 (2005)」では監督もしていた。「トレーニング デイ」のクルーとは固く繋がっておりますな!このスローアンとマイケル・ペーニャのシーンも絶妙!
(4.25点/5点満点中:12/10/12:劇場にて鑑賞)