トニー・スコット監督とヴィンセント・トーマス橋
トニー・スコット監督が亡くなった。ハリウッドで大成功した監督の1人で、兄は同じく成功した監督リドリー・スコット。デンゼル・ワシントンが好んで組む監督の1人であり、私にとっては大好きなデーモン・ウェイアンズが「The Last Boy Scout / ラスト・ボーイスカウト (1991)」に出演しているのもあって、何度も彼の映画は観てきた1人。「トップガン」を見て、アメリカ海軍にはエリートの飛行士がいる事を初めて知った。その監督が、ロサンジェルスの橋から自殺をした。それもショックだった。なにせ、あの橋はうちの夫が毎日のように通った橋であり、私も何百回も渡った橋だったから。それ故に、あの橋で自殺をする難しさを知っている。日中にあの橋の途中で車を止めるのは不可能に近いし、あの進入を防ぐ高い網を越えるのも不可能。自殺の名所という訳では決してない。なぜあの橋を選んだのか?ハリウッドからは少し離れているし、なにもあの橋を選ばなくても、ロサンジェルスには有名な場所が沢山ある。ニュースを聞いた時に、なぜ?という言葉しか浮かばなかった。
なんでも監督のあの橋には思いいれがあったらしい。デンゼルとの最後の作品になった「Unstoppable / アンストッパブル (2010)」では、取り直しの為に使ったのが、ヴィンセント・トーマス橋のすぐ下にある線路。ちなみにここの線路は「Hancock / ハンコック (2008)」でも使用されている。そして監督はウォーター・ヒルの「The Warriors / ウォリアーズ (1979)」のリメイクを制作を望んでいて、そのロケ地に思い浮かべていたのが、このヴィンセント・トーマス橋だったとの事。監督は「10万人の本物のギャングをヴィンセント・トーマス橋に集めて立たせて、ワンショットで撮ってみたい」と、2009年に語っていたと言う。
Tony Scott Update: Director Had Personal Connection to San Pedro Bridge | Hollywood Reporter
安らかに。