A Thousand Words / 日本未公開 (2012) 999本目
何か最近のエディ・マーフィは批評家達に散々な言われよう。この映画も批評家達からの好意的な意見はゼロ。確かにエディの最高傑作!!ではないけれど、ソコソコじゃねぇ?と私は思います。まあエディの好きな作品を10作挙げてといわれて、入る作品じゃないけどね。でも随所にエディらしさが戻って来たわと、エディファンの私は思いましたよ。だって、あのエディが話せなくなるというだけで、悲劇であり喜劇。
エディが演じたジャックという男は本当に愛すべきではない男。嫌で最低な男。欲しい物を手に入れる為なら、どんな事だってする。弱肉強食の世界でも、ジャックは見事に勝ち残っている男である。そのジャックは書籍関係の凄腕エージェント。今はドクター・シンジャという人気スピリチュアルのグルの執筆契約を手に入れようとしていた。しかしそのシンジャの所にある木に触れた時に手を怪我して、その夜に突然その木がジャックの家の庭にやってくる。ジャックが話す度にその木の葉っぱが落ちていく。残った葉っぱは1000枚ほど。シンジャもどうしてかは分からず、海外で調べてくるから3日くれと言われ、その間ジャックは喋らない努力をしていくけど...
ドクター・シンジャの名前がもうアメリカの人気医師ドクター・サンジェイ・グプタ。笑った。グプタはオバマ大統領に公衆衛生局長官のポストをオファーされたけど、なぜか受け入れなかった。でも今はTV番組で超人気。インド系。グプタはスピリチュアル系じゃないけどね。でも絶対にグプタを意識しただろうなーという感じ。
そしてエディとは古い付き合いになるのが、John Witherspoon (ジョン・ウィザースプーン)!!彼のシーンは絶対にエディの「Bowfinger / ビッグムービー (1999)」を思い出しちゃう。やっぱりエディ、上手くなってるな...と。という風にエディの過去作品を匂わすのが、エディらしい。エディらしいと言えば、妻を演じたケリー・ワシントンとのシーンも、ロマンチックな所があったりして、昔のエディぽいなーと思った。「Boomerang / ブーメラン (1992)」辺りのエディね。
でも母親を演じたルビー・ディとのシーンは凄い。演技が出来るエディを見せ付けられている。表情から台詞まで、このシーンだけは別の映画のよう。と、色んなエディが楽しめる。でもリル・ウェインの「ロリポップ」が着信音なのが笑った。
で、ラストの言葉。私はてっきり別の言葉だと思っていたのだけど、あの言葉だったとはヤラレた感じがしました。エディがタイラー・ペリーみたいな事やってみせている。あの言葉で「嗚呼、エディはタイラー・ペリーに見せ付けたんだ!」って思いましたね。タイラー・ペリーがくどく見せている事を、エディはスマートに見せている。そうか、それがテーマだったんだ!と思いました。単なるコメディじゃない。
にしてもさ、999本目が1000の言葉だなんて、上手くスッキリいかないぜ!!無理矢理この作品を1000本目にすべきでしたな!
(3.5点/5点満点中:5/9/12:劇場にて鑑賞)