これまたESPN制作のドキュメンタリーです。今回はマイケル・ジョーダン!でも、残念ながらバスケットボール時代じゃなくて、なぜか野球時代のジョーダンね。
バスケットボール時代のマイケル・ジョーダンはもう説明無用だと思う。誰もが知る名前だし、どんだけ凄い選手だったなんて事は言われなくてもみんな分かっていると思う。そのジョーダンが1991年から連続で3年優勝。個人としても3年でファイナルのMVPを獲得(結局書いちゃってるよ)。1993年はキャリア絶頂期だった。しかしオフシーズン中に父のジェームスが殺されてしまう。強盗の被害で殺されたと言われている。父ジェームスとマイケルは固い絆で結ばれていた親子だった。黒人というと父親不在だというレッテルを貼られがちだが、このジョーダンの一家は全く違った。ジョーダンがバスケットで頭角を現すと、父ジェームスは率先してマイケルがバスケットをやりやすい環境にする為に一緒について行ったという。ジョーダンが絶好調の時に出る舌は、父が車を整備している時にやっていた仕草を真似しているうちに自分の癖になってしまったほど。3年連続して優勝した時にシカゴブルスのロッカールームでマイケルの隣に居たのも父ジェームスだった。そのジェームスが愛してやまなかったのが野球。マイケルは父との男の約束を果たすために、全てを捨てて野球に専念する事になる。
と言ってもですよ、私みたいに何にも最初から無い人が全てを捨てる訳ではなくて、ジョーダンの場合は「神」とまで呼ばれていたバスケットボールを諦める事になる。捨てるモノの質が全然違う訳ですよ。きっとあのまま続いていたら、4年連続...いや8年連続位は簡単に優勝できていたんじゃないかと思う。前代未聞の歴史を作ったんじゃないかと思う...という私達ファンの期待をも捨てる事になったのです。
野球に挑戦していたジョーダンの事もみんなはよーく後存知だと思う。散々騒がれましたからね。どうもダメ選手としてメディアでは伝えられていた。野球では1流になれないと。それは当たり前です。ずっとバスケットやってきていた訳ですし。でも調べたらリトルリーグで野球やっていたみたいですね。ピッチャーだったらしいですが(写真はバット持ってるけど)。でもほぼゼロからのやり直し。NBAで華々しい活躍をしていたジョーダンが、マイナーリーグから始める訳です。観客はマイナーリーグだろうが、マイケル・ジョーダンを見に試合に出かける事になる。それはTV放映権に繋がり、ジョーダンの同じチームメイトがメディアに登場できるという恩恵を受ける事になる。チームもTV放映権やら観客が増えたお陰で収入も増える。いい事だらけです。しかも普段はフェラーリに乗っている男が、チームメイトと一緒にバスで移動。これがタイトルになっている訳ですね。バーミンガム時代には、自宅にあるバスケットボールコート(これには拘ったらしい)で、近所の子供達とバスケットするのが楽しみだったとの事。もちろんジョーダンには会った事などないので、イメージ的にプライドがあって横柄な人なんじゃないかと勝手に思ってたんですよね。でも実際のジョーダンは割とフランクでいい男なんじゃないかと思いました。でもまだ実在するのにジョーダン自身のインタビューが無いのが気になった。それもあってか、他のこのシリーズのドキュメンタリーに比べると甘さを感じましたね。でも野球のエキスパートがこの映画で言ってました。もしジョーダンが野球を続けていれば、そこそこ活躍していただろうって。丁度、野球の才能も開花しつつあった時だったらしい。でもやっぱり自分で気づいたんでしょうね。俺はバスケットだって。お父さんもあそこまでマイケルがした事に対して十分嬉しかったんじゃないかな... やっぱりジョーダンはカッコいい男なんですわ。
(3.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)