Stomp the Yard 2: Homecoming / 日本未公開 (2010) 762本目
日本でも大ヒットした(は言い過ぎ?)「Stomp the Yard / ストンプ・ザ・ヤード (2007)」の続編。なのにアメリカでも劇場公開されずにDVDにて発売。この前も書いた通り、この映画を制作したレインフォレストは今は割りと注目されている会社なんですけどねー。劇場公開されなかったのに、私は納得出来なかったんですよ。でも作品を見てちょっと納得。いや、そこそこ面白いと思う。でも普通の青春映画かなー。前作はその後の青春映画を全て大学のフラタニティ映画やステップ映画にさせてしまった位のブームを牽引するパワーがあった。そこには底知れない魅力があった訳で... ブラックムービーでフラタニティと言えば以前から存在する。と言ってもスパイク・リーの「School Daze / スクール・デイズ (1988)」位だったけど。そのスパイク・リーが作った作品は本当に素晴らしかった。大学内にあるヒエラルキー、そして黒人の中にある色のヒエラルキーを見事に描写していた。スパイク・リー風味の小粋な風刺やメッセージを混ぜながら。でも黒人にとって大学へ行くという事は、20代30代ではまだ「私が家族で一番最初に大学へ入った」というレベルも非常に多い。スパイク・リーみたいに母親もその祖母も同じ名門女子大学の卒業というのはまだ稀だと思う。スパイク・リーの映画は高嶺の花的。そこに登場したのが「Stomp the Yard / ストンプ・ザ・ヤード (2007)」だった。実に庶民的。「私が家族で一番最初に大学へ入った」レベルの話。初めての場所で戸惑いながら、フラタニティという場所で居場所を見つけていく。だからこそ、一般人は共感出来てブームにまでなったんだと思う。それに今風でカッコ良かった。そこも上手く若い子達の心を掴んだんだと思う。あれからBETでもステップを見る機会が多かったですものねー。人気番組「106&Park」ではステップ対決やってませんでしたっけ?
と前作を熱く語ってみたのだけど、この続編にはそれが無いんですよ。前作と同じと言えば同じ。一様同じ架空の大学と架空のフラタニティが舞台。主人公がコロンバス・ショートからコリンズ・ペニーに変わっただけという気もする。トラブルに巻き込まれて、解決していくというのも一緒。踊りとしてのステップは物凄く進化しているとは感じましたが、フラタニティの規律を守る意味でのステップとしては魅力に欠けたんですよね。3LWのキーリー・ウィリアムズの悪女ぶりとかもイライラする!3LWは脱退させられたナチュリ・ノートンが女優としてはやっぱり上だね。ラッパーのデビット・バナーの近所のジャイアン的キャラクターも邪魔。前作の方が男前度数が高かった気がする。でもライバルフラタニティのリーダーのTazを演じたトゥイッチのダンスは見ものだし、主役の彼女ニッキーを演じたティカ・サンプターは可愛かった。
でもMTVとかBETとか好きな子には受けるんじゃないかな。でも普通の青春映画だからそれで良いと思う。でも私はそこらのダンス映画以上の物を求めてたんですけどね。前作同様に。ブームを先導したリーダーとしての気品が見たかった!
(3.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)