Lakeview Terrace / 日本未公開 (2008)
Cast >> Samuel L. Jackson (Abel Turner), Patrick Wilson (Chris Mattson), Kerry Washington (Lisa Mattson), Regine Nehy (Celia Turner), Jaishon Fisher (Marcus Turner), Jay Hernandez (Javier Villareal) ...
Director >> Neil LaBute
Writer >> David Loughery, Howard Korder
Producer >> Will Smith, Jeffrey Graup
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 4
Craziest
エイブル・ターナー(サミュエル・L・ジャクソン)は、ロサンジェルス市警に勤め妻に先立たれたが、閑静な住宅街レイクビュー・テラスで子供2人を育ててきた。ある日、隣に若い夫婦(パトリック・ウィルソン&ケリー・ワシントン)が引っ越してくるのを見た。エイブルは、2人の行動を見張るが...
クレイジーという言葉はサミュエル・L・ジャクソンにとっては褒め言葉となると感じる。彼がクレイジーに振舞う程、なぜか世の中が見えてくる。これは彼にしか出来ない特権だと私は感じる。今回のジャクソンは更にクレイジー度が増している。だからこそこの歪んだ世の中が見えてくる。
ある者はエイブルを単なる差別主義者だと思うだろう。それ故にこの映画やジャクソンをもどかしくイラついて見えてくるかもしれない。でもある者は、この映画を通して見えない歪んだ世の中を考えてみたくなるかもしれない。私には面白い世の中の構造が見えたように思える。確かにエイブルは差別主義者だ。それは彼が差別を受けてきから故の事。彼は権力を手に入れた時に、逆差別という行動に出た。その時に丁度引っ越してきたのがインターレイシャルの若い夫婦。白人の男クリスに自分が今まで受けてきた「諦め」の行為を行使しようとする。でもクリスは今までその立場に居たことがないから分からない。その態度が無意識にエイブリーを苦しめる。黒人である妻もその妻の父も「諦めろ」と注意しているのに。ある意味、クリスもエイブリーと同じで一つの事に固執する。妻の妊娠を認めないのもそれを良く表しているようだ。
この感じが見ていて掴めない観客は、クリスと同じ感覚なのだ。だから、エイブリーや映画にイラつきを感じるだろう。そのイラつきこそが、差別される側の心理という事に、この映画によって気づく人も居るかもしれない。
(9/21/08:劇場にて鑑賞)