大好きなチャールズ・バーネットの作品です。そういえばホームページの方に掲載している映画好きへの100質問の中で、ある3人の日本の監督の映画上映日が重なったら、どの人の映画に行くか?という質問で、殆ど邦画を見ないので、残念ながらその意図が掴めなかった私ですが、同じ質問で「同じ日にスパイク・リーとチャールズ・バーネットとジョン・シングルトンの映画が重なったら、どの人の映画を選びますか?」という質問だったら、即答でチャールズ・バーネットと悩みもせずに答えられたと思います。その位好きです。実はスパイク・リーの今回の映画、先週末に見に行こうと思えば行けたのですが、2時間40分なので止めた私。でもチャールズ・バーネットの映画だったら、3時間でも文句言わずに座っていられると思います。あー、チャールズ・バーネットと映画について語り合いたい。
そんな私ですが、全てのチャールズ・バーネットの映画が大好き!って訳でもありません。「The Glass Shield」はもう一回見ないと多分意味分かってない。「To Sleep with Anger」も評判いいのですが、同じくもう一回見ないと意味分かってない。でも、この映画はやっぱりさすがです。児童書が原作で、製作がディズニーとホールマークなので、とっても分かりやすいのでチャールズ・バーネットらしい映画とも違うと思うのですが、そこはしっかりした枠組みがあって彼らしい印がある。ナイトジョンというだけあって、夜のシーンが凝っていて綺麗。オープニングも綺麗だし、ビル・コブス演じるオールドマンが囮になって夜中に酔っ払っておどけるシーンも綺麗。もちろん、この映画の枠組みとなる「文字を習う」シーンも夜で綺麗。
この映画、配役も良いですね。主役の女の子もオマセな感じで良かった。ボー・ブリッジスが悪者なのも良かった。ボー・ブリッジスって70年代は、今で言うマイケル・ララポートと言うか... 黒人に対して感傷的な役だったり、黒人の女性に恋しちゃったりという役が割りと多かったように思えるんですよね。そのブリッジスが今回は差別的な悪役。これが意外とはまってるのが面白かった。後は、やっぱりGabriel Casseus (ガブリエル・カシアス)ですね。本当に評価低いけど、実力派。現代的な役も出来てこういう古典的なのも出来るこの年代の俳優は中々居ませんよ。しかもデビューが「New Jersey Drive / ニュージャージー・ドライブ (1995)」という、いかにもな現代劇。そこから古典とかに転進する俳優って、中々居ないですからね。そしてタイトルのナイトジョンを演じたのがカール・ルンブリー。私の大好きな70年代ヒロインのヴォネッタ・マッギーを射止めた男性でもあります。チャールズ・バーネットの映画では御なじみの顔。バーネットとそれだけ信頼関係が出来上がっているという感じです。出番は意外と少ないのですが、印象を残しています。後、今回気になったのがディリー役のローレイン・トゥーサンという女優さん。素晴らしいですね。
チャールズ・バーネットはこの映画を冷静に描いているのですが、見終えた後はなぜか血が騒ぎます。こういうバランスのいい映画が大好きです。
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(5点満点:DVDにて鑑賞)