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『クリード』を引き継いだ男が自分の地元を語る『The Land』

私が信頼する3大監督の一人、ライアン・クーグラー監督の『Creed / クリード チャンプを継ぐ男 (2015)』。クーグラー監督はマーベルからの信頼も得て『Black Panther / ブラックパンサー (2018)』の監督に!という事で、『クリード』の続編どうする?って感じになり、ロッキー本人(シルベスター・スタローン)が俺やるよ!ってなっていたけれど、結局、新人のスティーヴン・ケイプル・ジュニアに落ち着いた感じ?今のところ?で、恐らくみんなは「誰?」状態だと思う。実際、私ですら「誰?」って感じでしたから。そのスティーヴン・ケイプル・ジュニア監督は、本日紹介するこの映画で長編デビューした。映画はサンダンス映画祭にて上映。

オハイオ州クリーブランド。高校でカウンセラーが将来について聞いていた。シスコ(ホルヘ・レンデボーグ・ジュニア)は35日も休み卒業出来るか分からず、ブービー(エズリー・ウォーカー)はあと1年で父と同じ溶接工の資格を手に入れる予定で、ジュニア(モイセス・アリアス)は車修理、パティ・ケイク(ラフィ・ガヴロン)はメカニックの道を勧められていた。しかし4人はそんな将来に夢が持てず、取りあえずスケボーしていた。そしてそのスケートで、車を盗み、横流ししてお金を手に入れていた。いつもはあまりいい車を盗んでいなかったが、良い感じの車を盗んだら、そこには大量のモリー(エクスタシー)がトランクに隠されていた。車の主、そして麻薬の主から追われる事になり...

タイトルの「The Land」は、舞台クリーブランドのニックネームの一つ。監督の情報がまだあまりないけれど、そのクリーブランドで生まれ育ったらしい。インタビューなどで、自分の体験やクリーブランドでの生活を物語として語りたかったと言っていた。この映画見た時に、メモ帳に「キッド・カディぽい映画」と私は書いていた。自分で無意識に書いてその時気が付かなかったけれど、キッド・カディもクリーブランド出身なんだよね!という事で、とてもクリーブランドぽい映画なのです。キッド・カディ作品の中でも一番好きなデビュー前の「A Kid Named Cudi」の世界観を映像したら、こんな感じじゃないかと思う。そしてクリーブランドと言えば、レブロン・ジェームス。もちろんセリフにチラっと出てくるよ。誰か衣装でレブロンのジャージ着ていても良かったと思うけれど、それは無かった。そしてマシン・ガン・ケリーも出演している。

そしてクリーブランド関係ないけれど、歌手のエリカ・バドゥも出演。ガッツリと演技するのは久々じゃないかな?主人公シスコの関係者。継母なのかな?このシスコがとーーーーーっても複雑な家庭環境で、良く分からない。日本の連ドラのように相関図が欲しい。シスコの実の母はオーバードーズで亡くなっているので、取りあえずは主人公と血のつながりはない。しかし、とっても不埒な女性役。性欲のまま生きている女なのです。凄い役だよ。で、エリカはこの映画をNasと共にプロデュースもしている。エンディングの曲も2人でやってます。他にもRun the JewelsとかJ. Coleとか。曲はキッド・カディ一色でザ・クリーブランド!にしてもらっても良かったのにとは思いました。せ、せめて一曲位...とも思いました。せっかくキッド・カディぽい映画なのに!

面白いのが一番のボスが物凄ーーーく普通な主婦ぽいおばさん。普通に小さいお店やっているの。そういう所が意外とリアルぽい。で、この映画は本当に色んな人種が絡んでいるのが、北ぽいなーと。

ライアン・クーグラー監督が『Fruitvale Station / フルートベール駅で (2013)』で自身の地元の悲しい物語を語っていたように、スティーヴン・ケイプル・ジュニア監督もこの作品で自身の地元の悲しい物語を語っている。そしてクーグラー監督の地元チームはゴールデンステイト・ウォーリアーズ、ケイプル監督の地元チームはクリーブランド・キャバリアーズ。2016年NBAファイナルの対戦相手同士だ!クーグラー監督とケイプル監督、何とも数奇な運命だ。

The Land / 日本未公開 (2016)(4.25点:1616本目)