SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Finding Fela! / 日本未公開 (2014) 1358本目

映画秘宝6月号を読んでいて、あ〜見たい!そういえば見たいと言っていたのにそういえば見ていない!!と思い見ました。ナイジェリアが生んだ世界的なスーパースターのフェラ・クティのドキュメンタリー。クティの半生が描かれたブロードウェイ「Fela!」の舞台監督ビル・T・ジョーンズのインタビューや舞台裏なども映し出されている。

純粋なフェラ・クティのドキュメンタリーかと思えば、プラスアルファで舞台「Fela!」も追っていたとは知りませんでした。舞台「Fela!」でどのようにフェラ・クティを描いていくのか、舞台監督や裏方たちの思いや苦悩も明らかになっていきます。舞台「Fela!」は、フェラ・クティ没後12年を経て、大舞台ブロードウェイで上演されたミュージカル。ウィル・スミスとジェイーZが共同でプロデュースした事も話題になった。トニー賞にもノミネートされ、舞台監督ビル・T・ジョーンズが振り付け賞を受賞している。

フェラ・クティはアフロビートの創始者であり、そして音楽を使いナイジェリア政府と戦う戦士でもあった。そこそこの中流家庭で育ち、兄弟は医師を目指し、自分や薬学の道を目指していた。ロンドンでも薬学を学ぶつもりだったが、音楽を専攻。そこでバンドを結成してジャズやハイライフを演奏していた。1969年にクティはバンドと共にアメリカのロサンジェルスに滞在。そこでジェームス・ブラウンのスタイルを見る。そしてアメリカ人女性サンドラ・スミスに出会う。サンドラはブラック・パンサー党に所属していた女性で、クティにブラックパワーを教え、そしてマルコムX自伝を読む事を薦めた女性だった。しかもナイジェリア国内はビアフラ戦争後で情勢が不安定な状態が続いていた。クティは音楽にピジン英語を取り入れ、そして政治的なメッセージを強く反映するようになる。そしてそれはナイジェリア政府の逆鱗に触れる。「Zombie」では、軍事政権となっている政府を批判し、軍人マーチを気持ち悪いゾンビの歩きと批判した。それにより、クティの家が爆破され、母が亡くなった。しかしクティは屈しなかった。より一層に政府への批判の言葉を強めていく。次第にお金のトラブルとなり、バンドも離れていってしまう。しかし新しいバンドを結成して、また違う音楽に発展させた。しかし警察からの執拗な暴力などで背中には傷跡が出来た。それでも「俺はこの国の大統領になるね」と話していた。ステージもよりアフリカ色の強いものになっていく。しかし、母を失った後は精神的にも弱くなり、怪しい人物ヒンドゥ教授と呼ばれていた男をスピリチュアルアドバイザーにしてしまった。この男は舞台で男の喉を切り、そのまま土に埋めて、生き返らせるという、とんでもないパフォーマンスをする男であった。しかもこの頃にロサンジェルスで行われる祭典に出席の為にアメリカに入ろうとした時に、為替管理違反で禁固刑となってしまう。その頃からクティの体は蝕まれた。そしてクティは一夫多妻制を信じていたので、27人ものと結婚していた時期もあった。医師でエイズ撲滅活動家で厚生大臣でも兄により、フェラ・クティが1997年8月2日にエイズの合併症で亡くなった事が発表された。葬儀にはおよそ1億人がスタジアムに集まった。

濃すぎる。そりゃ余裕で2時間ですよ。でも一度もダレる事なく前のめりで見れた。薬学を目指したのに、最期は西洋の薬学を拒絶したのも興味深い。アメリカ人女性がクティに影響を及ぼしたのも面白い。しかしヒンドゥ教授の喉切りは映像もあって、ひえっぇええええーーーー!ってなりましたわ。思い出しただけでも冷っ!!とする。Awww... あんなに意志の固い人でも、お母さんを亡くすという事で精神的にヤラレてしまうんですね。人生何があるか分からないっす。

そして舞台でも上半身裸な事が多いですが、家の中では基本パンツ一枚なんですね。

それにしてもキウェテル・イジョフォーフェラ・クティ役で、スティーブ・マックイーンが監督っていう映画が作られるはずだったのに、流れたのがひじょーーーーーーーーに残念。絶対にオスカーものだった。あー脳内ではイジョフォーのクティがぁあああ...

しかし、ここまでに音楽で戦った人っているかな?プロテストソングを作るミュージシャンはそこそこ居るけれど、死人まで出ちゃって、それでも屈しない戦士って、フェラ・クティだけな気がする。アフリカで生まれ、アフリカで育ち、アフリカで死んでしまったフェラ・クティ。アフリカの戦士は、彼の残した数々の曲と共に今日も明日も、そしてずっと生き続ける!

感想やあらすじやオフィシャルサイトはこちら

(4.75点/5点満点中:5/14/15:DVDにて鑑賞)